「幻の漆喰」開発の背景には、社会問題として目立ちはじめた「シックハウス」の問題があります。当時、大阪府堺市の保育園で、園児約30人と保育士さんがシックスクール症候群の健康被害を受けるなど、「家と健康被害の関係性」についての関心が高まっていました。
しかし、シックハウス対策として室内の空気を浄化し、化学物質を分解する建材にはどこのメーカーも目を向けておらず、気密性や断熱性能の向上を目指した内装材などが目立ち、ビニールクロスや新建材、集成材などの石油化学製品が増加し、室内の空気環境の汚染はますます深刻になっていきました。
カイケンコーポレーションでは、いち早く化学物質を分解する建材の研究・開発に力を注ぎ、試行錯誤の末に完成したのが、化学物質を「吸着して分解する」健康自然建材「幻の漆喰」でした。
できるだけお客様の元へ適正な価格でお届けできるように、「幻の漆喰」は商社や問屋を通す従来のルート販売ではなく、各工務店様への直接販売方式をとりました。
少しずつ採用してくださるところが増え、おかげさまで「幻の漆喰」は、音響熟成木材、清活畳とともに「空気がうまい家」をつくる健康自然建材として、全国の多くのお客様、工務店様にご支持いただいています。
室内の空気環境を守る「幻の漆喰」は、本当の意味での「安全で健康な家づくり」の大きな前進につながりました。
2013年には、「幻の漆喰」と同じく、光熱触媒の作用をいかして汚れやすい外壁をクリーンに保つ、外壁用の漆喰「幻の漆喰そとかべ」が誕生しました。
外壁材は強い雨風や太陽熱などから家を守る防護力が要求されます。「幻の漆喰そとかべ」は、耐水・耐熱・耐変色・耐緑色化・耐カビなどの厳しい試験を行い、試行錯誤の末に完成しました。
やわらかな素材感のある独特の質感は、懐かしさの上に新しさをまとった品の良さがあり、歳月とともに味わいを増していく「経年美家」を実現します。
下のデータが示すように、化学物質を吸着・分解する「幻の漆喰」が持つ光熱触媒の効果は、「ホルムアルデヒド分解試験」などで実証済みです。
アトピー性皮膚炎やアレルギーの原因のひとつともいわれるホルムアルデヒドが、わずか30分で驚くべき数値に減っています。
さらに、鳥インフルエンザウイルスは、100万分の1に抑制する実験結果もあります。
また、「室内空気汚染物質放散速度測定」や「抗菌力試験」などでも、「幻の漆喰」が持つ効果が実証されています。
「幻の漆喰」の誕生から15年、家づくりの在り方は大きく変化してきており、大工職人、とくに左官職人は年々減ってきています。いくら良い素材があっても、その力を活かしてくれる人がいなければ、何の役にも立ちません。
カイケンコーポーレーションでは、今後の左官職人不足にも対応できるよう、「塗りやすい漆喰」の研究・開発をすすめ、2014年に「幻の漆喰ピュアケアウォール」の開発に成功しました。
「幻の漆喰ピュアケアウォール」は、鉱物を原料とした天然素材を使用し、光熱触媒の技術で生成。化学物質を吸着・分解する「幻の漆喰クオリティ」はそのままに、塗りやすく仕上げています。
本物の健康自然建材を使う「本来の家づくり」を「未来の家づくり」に。
カイケンコーポレーションでは、これからも真摯なものづくりに努めてまいります。