「個」の力
紛争、災害、犯罪、事故、誹謗、中傷。
私たちは今や日常的にこれらのネガティブなワードと様々なかたちで関わり合い、あらゆる角度から、その情報の雨を浴び続けています。
言葉とは不思議なもので、発する音や表現されている字面にも、その特徴が宿っていて、最初に挙げたワードも当然ながら、嫌悪感を覚えるようなマイナスな因子が含まれているように強く感じます。
またそれと同時に、この言葉が示す行為や事象から自ずと距離を置くように、潜在意識下において行動にブレーキが掛かり、コントロールされ、困難や災難を遠ざけてくれる、とても大きな影響力を持っているようにも思えます。
時代の転換期には往々にしてこのようなイレギュラーが頻発すると言われています。
プラスに捉えるとするならば、これから次の新しい時代が訪れる前触れとして受け止め、どのような時代を創造していけば良いのか、創造していくべきなのか、今を生きる私たちに委ねられている行く末を個々が真剣に考え、使命感へと変換し、相応しい時代へと辿り着くための長い冒険のスタートであると、言い換えてもよいのかもしれません。
世の中がマイナスなマインドに傾きかけているからこそ「そうであってはいけない、助け合って何とかしなければ」という反発の共通意識が芽生え、それが個々の間でより強く顕在化していくことで、心と心が強く結びつく新たな時代を迎えることができると思います。
心の時代・・・一は全であり、全は一である
広い視点は必要ですが、許容範囲を超えて視野を広げすぎたり、多くと繋がり過ぎたりすることは、逆に自分としての個を見失ってしまうことと、紙一重のような気がしています。
まずは顔を上げ、等身大の目線で身近なリアルを感じ、すぐ傍にある結びつきを今一度育んでみることで、本来大切にしなければならなかった視点に気づくこともあるかもしれません。
もっともっとミニマムな、私たち「個」(一)としての繋がりや絆、力や思い、その熱量を掛け合わせて、揺るがない「共同体」(全)を形成し、そしてまた一つの大きな「個」(一)として成長していくこと。
それがいつしか、地域、社会としての全と成っていくこと、その循環が個々の在り方を尊重し寄り添った幸せへと向かっていくのだと思います。
私たち一人ひとりの意識が世界全体を動かしていく。
「個」の力、その言葉が持つ可能性は、これからも無限の広がりを見せてくれることでしょう。
浦上 日章
Text by Urakami Nissho