SAiN Essey

Natural Link
~繋がる自然志向~

 人々の考え方、モノの存在意義、コトの捉え方、それぞれに向ける視点の角度によって、得られる結果や経験の厚みが違ってくるように、同じテーマやコンセプトであっても、アプローチの仕方、携わる人や企業によって、全く違うジャンルへと枝葉を広げていきます。

 例えば私たちで言うところの、自然、健康、環境というテーマを建築というお仕事を通じて表現していることに対して、日用品、アート、美や癒し、食など、周りに目を向ければ、その表現方法こそ違えど、結果、たどり着きたい「在り方」については同じ志を持ったプロフェッショナルな方たちが多く存在しています。

 環境問題や健康に対する意識は人々の潜在意識に深く刻み込まれ、より顕在化してきており、実際に行動理念や人生観として表現する人たちも増え続けている印象です。

 そういった時代背景からなのか、エンドユーザーの方々や企業のジャンルを問わず、その繋がり方のスピードが加速していて、出会い方によっては、私たちが巡らせている思考の範囲内では見落としてしまうような素材の可能性を発見できたり、全く別視点のクリエイティブな発想を掻き立てる物事の捉え方や思いもよらないアイディアの扉が開くこともあります。

 自然、健康、環境、その普遍的なテーマが生み出す、繋がり方のイメージ、それを「Natural Link」という一つのアイコンとして表現していこうと思っています。
 このマインドを通じて、同じような波長を持つ人同士が、自然発生的にコミュニティとして繋がり、誰かにとっての記憶に残る感動体験が生まれれば、私たちにとっても大きな喜びとなります。

 体感から感動が生まれ、その感動が記憶として残る。
 過去で得た記憶は未来へと繋がっていて、その紡がれた記憶から、また新たな感動が生まれる。
 感動と記憶は循環していて、その循環が普遍的な概念を生み出し、いつしか歴史として心に刻まれていく。

 これからも自由にそしてタイムレスに、「Natural Link」的な発想で、「在り方」を表現していけたらと思っています。

浦上 日章

Text by Urakami Nissho