瀬戸内の海を見晴らし
心うるおす島の民宿

Heartwarming Minshuku in The Seto Inland Sea

2025年の晩夏、穏やかで美しい瀬戸内の海にうかぶ山口県大島郡の周防大島町に誕生した民宿「小さな宿 いずい食堂」さん。
丁寧な和のお料理と、心ほどけるゆったりとした島の時間を味わえる、民泊もできる落ち着いた空間です。

山口県大島郡 小さな宿 いずい食堂
◎設計・施工 株式会社 あさひ

Izui Shokudo Yamaguchi-ken Oshima-gun
Presented by ASAHI

料理も景色も空気もおいしく味わえる時空間

「小さな宿 いずい食堂」さんの外観は、2階正面と外壁まわりに使われた木材のナチュラルな質感が印象的です。

あえて木を使わず建物全体でツートンカラーになるようにデザインされた1階エントランスでは、いずい食堂のご主人自らが彫られた看板が迎えてくれます。

引き戸を引いて中へ入ると、無垢・無塗装の木材と漆喰のやわらかな雰囲気にほっとして、日常とは異なる島の時空間に心と体がゆっくり調和していきます。

食堂スペースには、無垢・無塗装の木の香りがいっぱいに広がります。

民宿ならではのアットホームな雰囲気で、瀬戸内の海のように穏やかな心落ち着く空間になっています。

ぬくもりのある陶器の器や花器などから「小さな宿 いずい食堂」さんのあたたかい人柄が感じられます。
空間には「島時間」ともいえそうな、ゆったりとした時間が流れています。

「大島富士」とも呼ばれる嵩山(だけさん)山頂の展望台から見晴らす瀬戸内海。
明治時代に多くの島民がハワイへ移住したことをきっかけに「瀬戸内のハワイ」と呼ばれる周防大島は、美しいビーチや奇岩の景勝地、瀬戸内海に浮かぶ赤い鳥居の神社など見どころも多彩です。

こころゆくまでここちいい島時間を楽しむ

食堂スペースは、カウンターと調理場との距離が近く、お客様との会話も楽しくはずみそうです。

ニッチの間接照明や造り付けの小さな棚、そこにディスプレイされた品々など、いずい食堂さんのこだわりが随所に散りばめられています。

食堂の空間で目を引くのは、木目の自然美が際立つ、
無垢・無塗装のこだわりの木材「音響熟成木材」を使った一枚板のカウンター。
この先、いずい食堂さんの歴史を豊かに刻み、味わいを増していくのでしょう。

目を上げると、美しい木目の勾配天井。
足元は、足の裏に心地いい感触が伝わる「うづくり」仕様のフローリング。

自然素材の心地よさをあらためて感じながら階段を上がると、穏やかな美しさの瀬戸内海を望む、和室と洋室の2部屋の客室です。

うづくりのフローリングが気持ちのいい洋室。
充実した収納スペースは、さわやかな木の香りが天然の芳香剤です。

室内の空気を浄化する天然素材の幻の漆喰と無垢・無塗装の音響熟成木材に加え、い草のすがすがしい香りと消臭効果をあわせ持った竹炭入り清活畳が使われた和室。
島時間をいっそう和やかにしてくれる、居心地極まる空間です。

洋室と和室、どちらのお部屋も、いずい食堂さんこだわりの照明が素敵です。

瀬戸内の海にうかぶ島で過ごすゆったりとしたひとときを、落ち着いた雰囲気でおもてなしてくれます。

小さな宿で見つけるしあわせの秘訣

日本最大の内海である瀬戸内海には、
700有余の島々があるそうです。

周防大島(屋代島:やしろじま)は、
淡路島、小豆島に次いで瀬戸内海で3番目に大きい島。

周防大島諸島の有人島は、本島の屋代島のほか、
情島(なさけじま)、浮島(うかしま)、沖家室島(おきかむろじま)、
笠佐島(かささじま)、前島(まえしま)という名の島があります。

「情島」や「沖家室島」などは、
その由来を知りたくなるような名前の島です。

小説家の村上春樹さんがエッセイで使われた
「小確幸」という言葉があります。
「しょうかっこう」と読み、
「小さいけれども、確かな幸福」を意味します。

例えば「ご飯が美味しく炊けた」とか、
「夜道でふと見上げた月がとてもきれいだった」とか、
特別たいしたことではないけれど、ちょっと幸せを感じられること。

実は、そんなささやかな幸せに気づくことこそが、
人生を楽しく豊かに彩っていく秘訣なのかもしれません。

自らを「小さな宿」と名付けられている
いずい食堂さんで過ごす食事や旅の時間には、
心がなごむ自然体の「小確幸」が、
いろいろ見つかるような気がします。

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