冬の植物[ユーカリ]

この冬の「季節を飾る花のある暮らし」は、いつもとちょっと趣向を変えて。冬の植物「ユーカリ」をご紹介。
オーストラリア原産とされる常緑高木のユーカリは、なんと900近くの品種があります。
丸葉、小丸葉、長葉(剣葉)、細葉(笹葉)、ハート葉など葉の形で分類することもあるのですが、交雑品種もあって、花屋さんでも品種名がわからないこともしばしば。
ユーカリには特有のさわやかな香りがあり、リフレッシュ効果やイライラを抑えて精神を安定させる作用があるほか、消臭や抗菌、虫除けなどの効果も持っていて、ユーカリの精油はアロマテラピーでもよく使われています。

2月頃に種類がいちばん豊富になるユーカリは、花束などのフラワーアレンジメントをはじめ、そのまま花瓶に生けたり、束ねて壁に吊るすスワッグやリースの素材に使ってみたりと何にでも合わせやすく、思い思いでいろいろな楽しみ方ができますが、今回は、形が違うユーカリをいくつか使って、スワッグを楽しんでみます。
「新生」や「再生」などの花言葉を持ち、さわやかに香るユーカリで、新しい年をすっきりとお迎えください。

OMOYA Flower Arrangement #03 [ユーカリ]

多彩なユーカリで楽しむスワッグ

今回は、(写真上から)シネレア(銀丸葉ユーカリ)、デグルプタ(レインボーユーカリ)、ウェブステリアナ、ブリジシアナ、という形が違う4種類のユーカリ使って、スワッグを楽しんでみます。
「スワッグ」とは、北欧やドイツに古くから伝わる壁飾りのこと(諸説あります)。
樹木信仰があるドイツなどでは、古くから、冬至の日になると魔除けと幸運を呼び込むために常緑樹の小枝をドアに吊るしていました。
この習慣が世界へ広がり、キリストの祝祭日に神聖なものとしてスワッグを飾るようになったとされています。

<用意するもの>
◎ユーカリ…4種類/計20本ほど
(1~2種類でも素敵に仕上がります)
◎松ぼっくり…3〜4個
◎輪ゴム
◎麻紐
◎はさみ

より綺麗なドライフラワーにしたいときは、硬い葉やサラサラした手触りのユーカリを使うと、そのままの質感でドライフラワーになります。

スワッグの作り方

ユーカリの下準備

ユーカリを仕上げたいサイズに合わせて切り分け、下葉を取ります。

この時、切り分けた長さごと(長い・中くらい・短い)にまとめておくと作りやすくなります。

松ぼっくりの下準備

松ぼっくりには、麻紐を結びつけます。

松ぼっくりの笠の下の方に麻紐を巻き付け、固結びします。
(フラワーワイヤーをお持ちの方は、ワイヤーを使用しても構いません)

束ねる

ユーカリを積み重ね、束ねていきます。

壁に飾ったときの安定感を考慮し、まっすぐで凹凸の少ないユーカリをいちばん下にして、長いものから順に一本一本積み重ねていきます。

松ぼっくりは、中くらいの枝と短い枝の間くらいの位置で加えます。
松ぼっくりに巻いた麻紐が隠れるようにユーカリを重ねると、綺麗に仕上がります。

ユーカリと松ぼっくりを束ね終わったら、輪ゴムで仮留めして、茎を切って長さを揃えます。

巻いて結んで仕上げる

仮留めしている輪ゴムを隠すように、麻紐をぐるぐる巻いて仕上げます。

はじめに麻紐の端を10cmほど上に出し、左手の親指で押さえておいて、右手で麻紐を持って茎にぐるぐると何重にも巻き付けていきます。


お部屋に飾っているうちに乾燥すると茎が細くなってしまうため、巻き方が緩いと枝が抜けてしまいますので、緩まないように強めに巻き付けておくのがポイントです。

巻き終わりが束の上の方になるように調整し、あらかじめ10cmほど出しておいた麻紐の端と固結びして、壁に付けるための輪っかを作って完成です。






同じ手順で、ユーカリ以外でもスワッグを作ることができます。

季節の草木や、庭木を剪定する時期には剪定した枝などを集めてスワッグを作って、お部屋の飾りとしてお楽しみください。


いろいろな種類のユーカリを組み合わせて素敵にアレンジしたら、飾ってそのままドライフラワーに。
冬の日々のうつろいとともに。

フラワーデザイン  阿部 すみか

福岡県福岡市出身。専門学校にてフラワーデザインを学んだのち、株式会社日比谷花壇に入社、ショップやウエディングの経験を積む。
2023年に独立 し、その年の立冬に「まどろみ」オープン。
https://madoromi2023.theshop.jp

これまでの一覧はこちらから

空気がうまい家の暮らしの楽しみをシェアするフェイスブックのページです。

季節の旬食材について、『SAiN』本誌でもご紹介しておりますので、どうぞご覧ください。