「食の大事さを多くの人と共有したい」という想いから、
マンションをリフォームして、「マクロビオティック・自然食」をテーマにした
料理教室を始めることになられたM様。
ハートリフォームさんの施工で2013年の末に完成したマンションにおじゃまして、
お話をお聞きしてきました。
今回は、お料理のこと、器のことなど、M様のこだわりをご紹介します。
M様のお料理教室は、マクロビオティックが基本ですが、
決してかたっくるしいものではありません。
植物性の食べ物がメインということで、ご本人いわく、
「ゆる〜く(笑)、自然食の料理教室です。
日本人は、やっぱり日本の土で育った野菜やお米を食べるのが
いちばん体に合ってると思います」
M様のお料理教室では、材料にこだわり、有機栽培や低農薬の野菜などを使用。
「いちばんいいのは自然栽培です。
自力で育った野菜たちは、強くて美味しいんです」
現代は、社会の変化やライフスタイルの多様化に伴い、
食生活も変化し、コンビニエンスストアなどの増加もあって、
家で料理を作って食べることが減ってきているようです。
「便利」が増えたぶん、「手間」が減る。
それは、一面では「いいこと」なのかもしれませんが、
本当に必要な「手間」まで無くしているのだとしたら・・・。
「手間をおしんだら、何かが狂ってくるんじゃないかな」
M様のお言葉は、「家づくり」にもあてはまりそうです。
料理や家づくりなど、人の暮らしの基本となる「衣食住」には、
最低限、守るべき「手間」があるのだと思います。
その「手間」の中にこそ、「豊かさ」や「楽しさ」があるのかもしれません。
- ☝「料理教室の場」として使い勝手が考慮されたダイニングキッチンとリビング一体の空間。
- ☝料理教室向けの大きさと使いやすさに配慮した、音響熟成木材の特製手づくりキッチン。
料理の素材だけでなく、
調味料にもこだわるM様(写真上/右)。
お子さんが小さい頃は忙しくて時間もなく、
毎日のお弁当作りの素材や調味料など、
そんなにこだわってはいなかったとのこと。
薬剤師の先生の講義をきっかけに、
料理への考え方が変わられました。
「『こだわる』というより、
『選ぶ』ようになったんです。
いろいろ知って、学んでいくと
選べるようになるんですよね。
知らないことが、怖いんです」
素材や調味料など「いいものを知り、選ぶ」ようになってから、
シンプルな味つけで素材のうまみが味わえるようになり、
料理がどんどん美味しくなっていくのを、つくづく実感されたM様。
生活していく上でかかせない「料理」だからこそ、美味しい方がいい。
体にいいものだったら、ますますいい。
それから、料理がしぜんと楽しくなっていったそうです。
- ☝アンティーク調のガラスが音響熟成木材の風合いとマッチした、素敵なキッチン収納。
料理にこだわるようになって、
しぜんと器や道具のことも大事に考えるようになられたM様。
大正時代や昭和初期のものを、骨董屋さんで探したりするのが楽しみとのこと。
「昔のものは、いいですね。手ざわりとか、味があるんですよね」
鉄びんや土鍋など、道具も一つひとつ丁寧に選ばれていて、
なかでも「これで削ったら、究極のお出汁がとれますよ」とおっしゃる
鰹節の削り器は、M様の大のお気に入りです。
「健康がいちばんですよね」とおっしゃるM様。
「健康をつくる<食>には、日々気をつけないといけないな、と思います」
ただ、あまりに神経質になりすぎるのも、いけないのかも。
M様もお友達と外食される際は、あまり気にせず、何でも食べられるそうです。
「チョコレートとかも、食べますよ(笑)。がまんするストレスの方が、体に悪いと思って」
「食べたいものを、おいしく食べる」ということが、M様の基本です。
「体の声が聞けたらいいですよね。
自分や家族が何を食べたいかなーということに従いつつ、献立を考える。
そういうのが、日々の家庭料理じゃないかなって、思いますよね」
「出汁をしっかりとっていれば、調味料はほんの少しでも、おいしいです。
昆布を小さく切って壜に入れた『昆布水』を、冷蔵庫に常備していたらいいですね。
昆布のとろっとした成分が溶け出して、毎回それをお出汁に使えます。
昆布は水溶性の食物繊維が含まれてるから、とっても体にいいんですよ」
化学的に作られた添加物は、人間の体内での分解や吸収、排出が難しく、
体の中にたまっていく怖れがあります。
工場で大量生産される食品があふれる現代だからこそ、
昔ながらの食事、日本食を見直す動きが高まってきているようです。
- ☝M様手づくりのアップルパイ。素材のしぜんな甘みと酸味が口の中で優しくとけあいます。
- ☝手づくりのマフィン。白砂糖を使わないから、あきのこない深みのある味わいです。
研究熱心なM様は、ご自身も、89歳になられる日本料理・家庭料理研究家の
檜山タミ先生のお料理教室に通われており、そこで「波動」の大切さを学ばれたとのこと。
「先生は、『お鍋も波動』『人間対人間も波動』とおっしゃっています。
鉄や銅、土鍋とかのいいお鍋は、波動の力で、ほんとに美味しく料理ができます。
お料理は、自然のものをもとにして作っていくのがいちばんだと思います。
自然食の良さを、とくに若い人、子育てする人たちにもっと知ってもらいたい。
そんな想いで、料理教室をやっているんです」
クラシック音楽の「波動」を利用して、
木の無駄な水分を抜いて乾燥させる音響熟成木材のように、
料理にも「波動」が大事なようです。
料理も、家づくりも、ポイントは「自然の力を上手に引き出す」
ということなのかもしれませんね。
<其三会へつづきます>