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公開日:
最終更新日: 2025年7月16日
地球誕生時の命が引き継がれた「麹菌」のちから

京都で実際に空気がうまい家にお住まいの渋谷浩一郎さん。
渋谷さんは、大学卒業後、公立小学校の教諭を15年勤められ、現在は数名の生徒と学ぶ意味を考えながら勉強を行う一方で、ブログ運営や文章の書き方を企業でレクチャーするなど、多方面でご活躍されています。
ここでは、日々の暮らしの中で感じる自然の不思議さ、そこから学ぶことなどをご紹介していただいています。
「菌活」という言葉が流行り、生きた菌の力に注目が集まる現代。
日本の食文化に欠かせないお味噌に含まれる「麹菌」には、実は地球誕生時からの生命の特徴がしっかりと受け継がれているのをご存知でしょうか。
本記事では、お味噌作りの過程で見えてくる麹菌の神秘的な性質や、なぜ味噌を仕込む時に空気を抜く必要があるのかといった疑問について、地球の歴史を振り返りながら詳しく解説いただきました。
数十億年の生命の歴史が詰まったお味噌の世界を、ぜひご覧になってみてくださいね。

渋谷浩一郎
大学卒業後、公立小学校の教諭を15年勤める。 現在は、数名の生徒と学ぶ意味を考えながら勉強を行う一方で、ブログ運営や文章の書き方などを企業で教える活動をされています。
目次
~地球誕生時からのおくりもの~
誰に教わったという訳でもないのに、寒くなると自然と温かい飲み物が欲しくなり、暑くなってくると冷たい飲み物が欲しくなるものです。
そして、疲れた日には、生命力の強い「うなぎでも食べよう」なんて思うものです。
また、「季節の野菜を食べると身体に良い」と言われるのも、極寒の中でもしっかりと根をおろす大根の力や、灼熱の中でもみずみずしい実をつけるトマトなんかに憧れの様なものがあり、その力を身体に取り入れたいと考えたのでしょう。
こんな発想は現代でも活用されていて、「菌活」という言葉が流行り、テレビCMなどでも「生きた菌を腸まで届ける」なんてフレーズが盛んに言われるようになりました。
では、生きた菌がたっぷりと含まれていると言われる「お味噌」はどうなのでしょうか。
季節の手仕事の「自家製味噌づくり」の記事で、お味噌作りを紹介しましたが、お味噌作りに欠かせない麹菌について迫ってみましょう。
実は、地球誕生時の生命の特徴が麹菌にもしっかりと受け継がれているのです。
お味噌作りの経験から見えてきたことを踏まえながら、詳しく解説します。
お味噌はどうやって誕生したのか?

味噌は中国の大豆の保存方法が起源ではないかと言われています
古くからある食べ物の多くは、偶然の産物であることが多い様です。
味噌がどの様にして誕生したのかは明らかになっていませんが、中国の大豆の保存方法が起源ではないかと言われています。
お味噌の誕生までには、こんな歴史があったと推測しています。
「大豆をいっぱい炊いたけど食べきれないなぁ」
「もったいないし、塩に浸けておこう。そうしたら腐りにくいわ」
数ヶ月経過…
「そういえばここに大豆を浸けておいたなぁ」
「あちゃー、酷い色に変わってしまっているけど臭くないぞ」
こうして、偶然の産物として誕生したお味噌ですが、室町時代には「麹屋さん」があり、商品として流通していたと言われています。
当時、どの様にして麹菌を培養していたかは、分からないことも多いのですが、当時の人々は、お米の腐敗の様子などをしっかりと見て、意図的に純度の高い麹菌を培養する技術をすでに確立させていたと考えられます。
そもそも「麹菌」とは、どういうもの?

一言で言うと、麹菌は「カビの一種」です。
炊き上げたご飯やパンを放置しておくと、嫌な緑のカビが生えてきます。
ここで、どんな条件が揃うとカビが生えてくるのか、思い出してみましょう。
- 適度に栄養がある
- 適度な温度がある
- 適度な酸素がある
普通は、カビなんて生えて欲しくないために、この条件と反対のことをして食品を保存します。
できるだけ空気を抜いて、冷たい冷凍庫に入れて…。
麹菌もカビの一種ですから、同じ性質をもっていると考えて当然です。
実際に、米麹を作るときにも、
- 蒸したお米
- 種麹(種麹をどんどん増殖させていく)
- 適切な温度
という条件を揃えて、麹菌をどんどん増やしていきます。
また、種麹をどんどん増殖させていく段階で、45℃を超えてしまうと「菌が死んでしまう可能性がある」と言われます。
つまり、麹菌は
・条件が良ければどんどん増殖する力をもっている。
・反対に条件が悪くなってしまうと死んでしまう可能性がある。
という、生き物としての性質をもっていることが分かります。
ですから、「麹菌」がしっかりと入り、十分に活動してくれてできた「お味噌」を食べると、元気になると昔の人は考えたのです。
ところが、お味噌作りをしているとどうしても不思議に思える工程に出会います。
味噌づくりに「空気」は必要ない!?

季節の手仕事の「自家製味噌づくり」の記事でも紹介していますが、大豆と米麹と塩を混ぜた味噌の素は、上の写真の様に、できるだけ空気を抜いて容器に詰めていく必要があります。
ここで不思議に思うことは、
麹菌(生きた菌)を大豆に混ぜたのになぜ、空気を抜くのか?
空気を抜いてしまえば、麹菌が呼吸できなくなるのでは?
ということです。
私たちは、先に挙げたカビも含めて、「すべての生き物には酸素が必要」だと思ってしまいがちですが、決してそうではありません。
それは、地球が誕生したころを振り返ってみると分かります。
地球が誕生した頃、地球には「生命体」と呼ばれるものがありませんでした。
当時の空気の成分は、ほとんどが二酸化炭素で、その他に、メタン・アンモニアが若干含まれていました。
そんな環境の中で、海の中で生命体と呼ばれる微生物の様なものが誕生しましたが、彼らは光合成をして、どんどん繁殖していきます。
つまり、酸素なんてない時に誕生した生命なので、体内に酸素を使う機能なんて持ち合わせていません。
彼らは光合成をするので、「二酸化炭素を吸収し、酸素を排出する」という現代の動物とは真逆のことを行ってきたのです。
そのため、彼らからすれば、酸素は排出物であり、なんでも酸化させてしまう厄介な存在だったのです。
この当時の性質を今も受け継いでいるのが「麹菌」なのです。
麹菌にとっても酸素は厄介ものですから、味噌作りをする時には、「麹菌が可哀想」なんて思わずに、ガンガン空気を抜いて問題ないのです。
35億年の生命を受け継ぐ味噌
麹菌の様に酸素の存在を嫌う生き物の起源は、ざっくりと35億年前だと言われていますから、お味噌は、そんな古代の生命の根源を現代にも受け継いでくれている神秘的な食品だと言っていいでしょう。
ちなみに、現代では、酸素を必要とする菌もたくさんありますが、それらの起源は、光合成が盛んに行われるようになってからのものだと言われています。
地球上に排出物である酸素が増えたために、今度は、排出物を利用しようとする生命が誕生したと考えられています。
そう考えると、自然がバランスを維持しようとする機能は、私たち人間が考えるものよりもはるかに優れていると思うのです。
こんな話を思い返しながら、お味噌汁をいただくと、なんだか数十億年分の元気がいただけた様な気持ちになります。

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