大きな夢を小さく叶えた、ヨガの先生の素敵なタイニーハウス
今回ご紹介するのは、空気がうまい家の歴史の中で、おそらくいちばん小さな家。
沖縄県浦添市に誕生したM様の「タイニーハウス」です。
「タイニーハウス」とは、小さくてもクオリティが高く、住み心地のいいシンプルな家のことで、近年アメリカなどを中心に広がっている住まいです。
ヨガを教えていらっしゃるM様は、『私たちが思い描いていた暮らし』というタイトルの記事でご紹介した、名護市のS 様が通われていたヨガ教室の先生だったのですが、実は、そのご縁は、M様のタイニーハウスを作られたラムハウジングさんともつながっていたのです。
さまざまな人とのご縁があり、運やタイミングにも恵まれて生まれたM様の「タイニーハウス」。
その誕生までの経緯と、ミニマルで素敵な暮らしをご紹介します。
小さくても豊かで、シンプルで素敵な「タイニーハウス」に共感
もともとM様は、息子様ご家族とお母様と同居されていらっしゃったのですが、お住まいが手狭になられたこともあって、自分の好きなことができて、気兼ねなくご友人を招いたりもできるようにと、一人住まいできるアパートやマンションなどをお探しになられていました。
以前、アメリカでも生活をされていたM様は、「これまでは、大きくて豪華な家に住むことがアメリカンドリームというような価値観があったけれど、アメリカ人もだんだんそういった価値観に疲れてきていて、外側に見せる豪華さよりも、中で生活をする人が、居心地がよくて、楽で、不安がなく、安心していられるところを求めるようになってきたの。当時、動画配信サービスで『タイニーハウス』というシリーズ番組が流行っていて、自分もその番組をずっと見てたの」とのこと。
小さくても豊かで、シンプルで素敵な住まいの魅力に共感されたそうです。
「タイニーハウスを知って、こういう家がほしいな、と思うようになって。素敵な小屋を特集した雑誌もいっぱい出ていて、“こういうの素敵よ!”って友達に話したりしてました(M様)」。
ヨガ教室のサロンで大好きになった音響熟成木材
M様がヨガ教室でご利用されていたのは、読谷の「なかゆくいサロン(※)」という場所でした。
本当にたまたまなのですが、この「なかゆくいサロン」さんは、音響熟成木材と幻の漆喰でリフォームされた場所でした。
このリフォームを施工されたのが、弊社の取引先であるラムハウジングさんでした。
リフォーム前のサロンは、壁がひどいカビだらけで状態はかなり悪く、なかなか施工してくれるところが見つからなかったそうなのですが、ラムハウジングさんによる自然素材を使ったリフォームで見事に生まれ変わりました。
※この「なかゆくいサロン」さんには、本当に不思議なご縁があって、これからご紹介する予定の沖縄市のF 様(音響熟成木材と幻の漆喰で築33年のコンクリート造りのご自宅をフルリノベーション)も、このサロンのオーナーさんと仲良くされていらっしゃいました。
M様もサロンのオーナーさんからリフォームのいきさつを聞かれていたとのことで、オーナーさんは「ラムハウジングさんに救われた」とおっしゃっていたそうです。
「ラムハウジングさんの家づくりの考え方とかは、なかゆくいさんに凝縮されていました(M様)」。
サロンの自然素材を使った空間の気持ちよさを実際にご体感され、ここでヨガ教室を続けていくうちに、M様は「この木が大好き」になられました。
オーナーさんのご好意で音響熟成木材のサンプルをいただいて、枕にしたり、いろいろと使ってみたりして、ますますお気に入りに。
「いつか私もこの木を使った家に住みたい」という夢が育まれていきました。
奇跡的にかさなったご縁
以前の記事でご紹介した名護市のS様が、M様のヨガ教室に通われていたことは最初にお伝えしましたが、実は、なかゆくいサロンさんのリフォームを施工したラムハウジングのご担当者の川上晃奈さんも、M様のヨガ教室の生徒さんだったのです。
この事実を知ったM様は、「えー! あなただったの!」と、本当に驚かれたそうです。
さらに奇跡的なご縁はかさなります。
「一人で住むマンションとかアパートを探してたんだけど、やっぱり自宅の敷地にタイニーハウスみたいな小さな小屋でも建てようと思ったの。それで、お友達に一級建築士がいたから、“私の大好きな木でできているお家を一緒に見に行ってくれない?”ってお願いして、なかゆくいサロンに出かけたんです。そしたら、晃奈ちゃん(ラムハウジングのご担当者)がいたのよ! 約束も何もしてないのに、ホントに偶然にね! もう、これは神の啓示ぐらいに思ってしまって:笑(M様)」。
この偶然の出来事に運命的なものを感じられたM様は、ラムハウジングさんに、音響熟成木材と幻の漆喰を使ったタイニーハウスづくりをお願いすることになりました。
絶対に叶えたい夢がそこにあった
不思議なご縁や運命的なタイミングに導かれた、M様のタイニーハウスづくり。
その大きな決め手のひとつは、弊社のさつま工場のモデルハウスエリアにもありました。
エリアには、「空気がうまい家」のコンセプトハウス、ハイグレードモデルハウス、ゲストハウスの3つのモデルハウスがあるのですが、ハイグレードモデルハウスには「離れ(パーティールーム)」が併設されています。
「夢がそこにあったの。モデルハウスの“離れ”。実際に見て、そのまま完全にイメージと一致したんです。“これは絶対叶えたい”と思って(M様)」。
空気がうまい家づくりを検討されていらっしゃったお知り合いの方々と一緒に、鹿児島のさつま工場へモデルハウス見学に出かけられたM様は、そこで、ご自身のイメージ通りの理想的なタイニーハウスを発見されました。
まさに「百聞は一見にしかず」でした。
“木材ちゃん”への愛情がいっぱい
資金計画も上手くいき、お見積りも運よくM様のラッキーナンバーだったりして、タイニーハウスの建築は、スムーズに進んでいきました。
「晃奈ちゃんは、建築中も毎日来てくれたし、親切丁寧に寄り添ってくれるから、ほんとにラッキーだったなと思う(M様)」。
M様のタイニーハウスづくりを担当されたラムハウジングの川上さんは、M様のことも、この自然素材のことも大好きで、M様に建てていただけると決まって、とても嬉しかったそうです。
川上さんによれば、M様は「木材ちゃん」と呼ぶぐらい音響熟成木材への愛情が強すぎて、「木がびっくりして照れているような感じだった」とのことでした。
M様ご自身も、「この木に Fall in love してくれる人を、木が選ぶ」と感じていらっしゃるそうです。
深く豊かに暮らす、ミニマリスト
竣工から約3ヶ月、M様の夢だったタイニーハウスが誕生しました。
ロフト付き3坪、シャワーとトイレも完備され、限られた空間をいかに広く使って快適に過ごすかが考えられた、こだわりとアイデアがつまっています。
「無駄なものは持たない・置かない」が、M様のルール。
収納があればあるほど、ものが増えてしまい、それがストレスに感じてしまうとのことで、M様の目安は、引き出し4つ分。
ミニマリストとしてのライススタイルが、暮らしを深く豊かにしてくれています。
自然と共にいる感覚がもてる「自分が整う場所」は、つくれる
このタイニーハウスで、M様がいちばんやりたかったことは、どんなことだったのでしょうか。
「瞑想かなあ、やっぱり。ただ静かになりたかったんです。ここに移って初めて分かったのが、私、電気器具のモーター音が苦手だったって気づいたの。今までは、そんな音があるのが当たり前だったから、それが普通と思ってたけど、その音がしないと、こんなに静かなんだって気づきました(M様)」。
自然の音だけが聞こえる場所で過ごすと、時間の流れがゆっくりで、濃密に感じられます。
人工的な明かりがない場所で見上げる夜空には、満点の星が輝いています。
「ない」が増えると、「ある」もまたよく見えてきます。
現代に生きる私たちにとって、それはとても贅沢なことに思われます。
「この空間では、五感が喜ぶというか、自然と共にいる感覚。だからやっぱり、自然素材って大切だと思う(M様)」。
M様のタイニーハウスには、電気がありません。
「電気に頼らない。電気を入れない方が正解だった。やっぱりね、人間って便利さに慣れていくから。このタイニーハウスは、Wi-Fiもシャットダウンするんですよ(M様)」。
現代の便利なものをすべて否定するのではなく、メリハリをつけて、人間本来の感覚を忘れないように大事にしていくこと。
自然素材のタイニーハウスという、小さいながらも自分の理想の空間が深く豊かに広がる場所で、シンプルに満ち足りた暮らしをされているM様。
自然素材の美しい経年変化と共に、これからも、その素敵な日々の味わいが増していくのでしょうね。
「普段はがちゃがちゃ働いていたりで、癒やしやリトリートをしに行くといっても、年に数回じゃないかと思うんです。でも、ちっちゃな空間でよければ、日々、癒やされたりリトリートできる場所に戻れる。例えば、ベッドルームだけでも、この木と漆喰にして、電磁波フリーにしたりできる。寝るだけの場所だったら“毎日、癒される場所は作れるよ~”って。自分が帰れる場所、整う場所がね(M様)」。
M様のお話をお聞きして、弊社の自然素材をこんなにも愛して、大切に思っていただいて、私たちも誇らしく、感謝の気持ちでいっぱいでした。
同時に、あらためて本当に大切なことに気づかせていただきました。
M様、F様、ありがとうございました。