


夏の花 [ひまわり]
夏を代表する花「ひまわり」は、漢字で「向日葵」、英語で「サンフラワー」、フランス語で「ソレイユ」と、太陽のイメージがある明るく元気な印象のお花です。
背が高くて大輪の花を咲かせるイメージのひまわりですが、品種改良でサイズや色のバリエーションが豊富な数多くの品種が生み出されています。
今回は、「サンリッチマロン」、「サンリッチライチ」、「パナッシェ」の3つの品種を使います。
サンリッチはシリーズ化されている品種で、「サンリッチ」と花色に合う「フルーツの名前」の組み合わせで名付けられ、私たちが一般的にイメージしているひまわりは、「サンリッチオレンジ」という品種とのこと。
「パナッシェ」は「ゴッホのひまわり」とも呼ばれ、珍しい半八重咲きなどもあり、花弁がカールして咲く、華やかな印象のあるひまわりです。
選択肢が増えて選ぶ楽しみも広がっている、ひまわり。
みなさまご自身のお気に入りを探してみてください。
OMOYA Flower Arrangement #01 [ひまわり]

使用花材と手法

◎ひまわり・・・5本
◎季節の枝やグリーン・・・1〜2種
(今回はブルーベリー、カレックス)
◎季節の草花・・・お好みで
(今回はシモツケ、姫ヒマワリ、アマランサス)
今回は「投げ入れ」という手法で生けます。
吸水性フォームや剣山を使用せず、花瓶に直接花を入れてアレンジしていきます。
剣山などの花留めを使用しないため、今回のアレンジでは枝分かれのあるグリーンがとても重要になるので、ボリュームのあるものを用意しましょう。
7月くらいまではブルーベリーや房すぐり、7〜8月はヤマゴボウやバジルがおすすめです。
カゴや花瓶のサイズで本数は変わりますが、花瓶にこんもりとなる量が目安です。
今回は、直径9cm×高さ15.5cmの花瓶で、ブルーベリーの小枝を5本使用しました。
アレンジの手順

1
カゴに水の入った花瓶を入れます。
花瓶は、カゴのフチよりも2〜3cm低いものを。


2
花材の下処理をします。
下処理は、花やグリーンを綺麗に生けるために欠かせない作業。
枝分かれを切り分けたり、傷んでいる花びらや葉っぱ、余分な葉っぱを取ります。
水に浸かる部分の葉っぱも取ります。
グリーンたっぷりのアレンジの時は、適度に葉っぱを間引くことで、より洗練された印象になります。
ヒマワリに大きな葉っぱが付いている場合は、傷みやすいのであらかじめ取っておくと良いでしょう。

3
下処理をすませたら、最初にグリーンから生けていきます。
ポイントは、グリーンだけでも仕上がっていること。
カゴから溢れるようなイメージで、伸びやかに生けていきます。
長い枝、中くらいの枝、短い枝を組み合わせながら、高低差を出してメリハリをつけましょう。


4
グリーンが仕上がったら、ヒマワリを加えていきます。
入れるヒマワリの高さは、全て同じ高さにならないように。
高低差を意識すると伸びやかに飾れます。
特にひまわりのような大きなサイズのお花は、「高い・中くらい・低い」を意識するだけで、ぐっと良くなります。
配置は「三角形」を意識します。
ヒマワリを入れる角度は、お花の顔がよく見えるようにと全部の花を真っ直ぐ前に向けてしまうと、平面的な仕上がりになってしまいます。
ちょっと斜めにしたり、うつむかせたり、上を向かせたりすると立体的になります。


5
最後に、その他の草花を入れていきます。
グリーンやひまわりと同様に、高低差を意識して生けます。
◎気温の高い時期は、毎日お水替えをしてください。
◎2〜3日おきに、茎を数センチずつカットして新鮮な切り口にしましょう。
◎茎が茶色く変色していたら、変色している部分は切り落とします。
◎傷んでいる葉っぱも取り除きましょう。

お部屋を明るく華やかにしてくれるひまわり。
緑の葉ものと合わせると、ひまわりの黄色がいっそう際立ちます。
フラワーデザイン 阿部 すみか
福岡県福岡市出身。専門学校にてフラワーデザインを学んだのち、株式会社日比谷花壇に入社、ショップやウエディングの経験を積む。
2023年に独立 し、その年の立冬に「まどろみ」オープン。
https://madoromi2023.theshop.jp