何年も住んでみた空気がうまい家はいかがですか?

空気がうまい家® 人と暮らしをたずねて 住まわれて年月の経ったお宅をご紹介する特別篇

築14年 新原様のお住まい

ご主人と奥様、そして愛犬のリリーちゃんと、仲むつまじい日々をお過ごしの新原様。その自然体のお住まいへの再訪でした。

すごくお久しぶりの訪問。
「十数年ぶりかね~」と当時と変わらない優しい笑顔。
初めて訪問したときの映像がフラッシュバックするような、その場所だけに流れる特別なひとときを堪能させていただきました。

今でも見学の方がいらっしゃるんですか?

 「今ではだいぶ少なくなったけど、新築した当初から見学される方が多かったね~。延べ人数でも2000人は超えてるんじゃないかな。今でも年に2~3回は見学者の方がいらっしゃいますよ」
 私たちも当時からたくさんの方々をご案内させていただきました。家づくりを検討されているお客様はもちろん、勉強のためにと工務店の方々など、本当にお世話になっているんです。
 「14年経っているからね~。汚れていないか、家に入ったらまず壁をチェックされているね。特にスイッチ廻りなんかは念入りに見られているけど、当時とほとんど変わってないからね~。驚かれますよ」
 写真を見れば一目瞭然ですよね。一番人が触るであろう、玄関のスイッチを撮影させていただきました。スイッチにも「玄関」と明記されていたので、よけいにリアルですね。

新築時とほとんど変わらない玄関のスイッチまわり

『SAiN』読者の方々からのお声で多かったのが「お手入れ方法」だったのですが、普段はどのようなお手入れをなさっていますか?

 「手入れと言っても本当に特別なことはしてないからね~。壁はそのままで拭いたりもしていないし、まあ床に関しては居間のところをたまに掃除機掛けするくらいかな~。
 そういえば新築して2~3年の間は、囲炉裏を囲んで鹿やら猪やら鮎なんかを焼いてたりしたけど、その間、囲炉裏の上に取り付けてある換気扇は一度も掃除したことがないですよ。キレイでしょ」

囲炉裏の上の換気扇もきれいなまま

 ほとんどホコリも被ってなくキレイな状態ですね。特に獣類を焼いたときの煙はひと際すごそうですよね。普通は油やホコリでかなり汚れていてもおかしくないのですが、本当に驚きです。

ご趣味の蘭をはじめ、緑がいっぱいで、とてもすがすがしい新原様邸。音響熟成木材は、十数年の時を経て、見事な艶と深みのある色合いになっていました。

植物がすごく増えましたね

 「趣味で蘭を育ててます。蘭だけでも200鉢くらいはあるかなぁ。菊とか苔とか他の植物も合わせればもっとありますよ。肥料をあげる時だけ少しニオイがするけど、しばらく経てばなくなってるし、さっきもあげたけどニオイしてますか?」
 家に入った瞬間、気になるニオイは一切ありませんでした。清々しく澄み切っていて、本当に当時のままの空気感です。
 奥様も「ほら、新しい芽が出てきたね!」と小さな鉢を見せてくださいました。
 「植物の育ちがよいのか、7~8年経つポトスもすごい伸びたね~」
 壁づたいに見事な成長ぶりですね!

愛犬リリーちゃん(写真左)。ニオイはほとんど気になりません。昼間はご主人と一緒にお気に入りの場所で寛いでいます(写真中)。
音響熟成木材の立派な梁が印象的な開放的な玄関(写真右)。

これから家を建てられる皆様に何かアドバイスをお願いいたします

 「自然のまま、ありのままが一番いいですよ。同じ木の家でも塗装したりすると別物になってしまうし、木の素材が使ってあるというだけで、見た目のキレイさが強調されて自然味がないよね。そのままが一番いいです! 素材の変化を楽しんでください」とご主人。
 奥様は「自然体がいいですね。特別なことは思いつかないけど、それだけ今の家に満足している証拠だと思います」と14年住んだ方だけが語ることのできる深いお言葉を頂戴いたしました。
 初めて体験した時の空気感はそのままに、より一層味わい深さを増した新原様邸。時が巻き戻っていくような、表現し難い不思議な感覚に包まれながら、今回お話を伺えたことは本当に光栄なことだと感じています。
 時代の流れと共に家づくりは進化していきますが、原点の素晴らしさには到底かなわないなと、この家づくりに携わってきて10数年、新たな刺激にもなりました。

またこれからもたくさんのことをご教授いただければ嬉しい限りです。
新原様、本当にありがとうございました!

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