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最終更新日: 2024年11月6日

漆喰外壁の10年後は大丈夫? 漆喰の耐久性やメリット・デメリットを徹底解説

漆喰は体に優しい自然素材で、高い耐久性・多機能性・デザイン性により外壁に採用されることも多い素材。洋風・和風どちらの建物にもマッチする独特な風合いも人気です。

他の素材に比べメリットが多い漆喰ですが、一般的な外壁材と同様に新築から10年ほどで専門の業者によるお手入れが必要になることは知っておいたほうが良いでしょう。

この記事では、漆喰の耐久性やメリット・デメリット、漆喰外壁のお手入れ方法について、詳しく解説します。漆喰外壁を選ぼうとされている方は、ぜひ参考にされてみてください。

この記事でわかること

漆喰は10年後でも綺麗な外壁を保つことができる

漆喰の寿命が短くなる原因は、割れや剥がれによる雨漏りや寒暖差による漆喰の劣化

漆喰外壁のお手入れは、軽い汚れや軽度なひび割れや傷であればDIYで補修可能

目次

漆喰は10年後でも綺麗な外壁を保てる

漆喰は耐用年数が長いため、10年後でも綺麗な外壁を保てるという特徴があります。

ただし、日当たりや立地の違いなどで漆喰の状態は変化するため、定期的なメンテナンスが必要で、メンテナンスを怠ると、美しい外観は次第に損なわれ、早めの塗り直しが必要となるかもしれません。

漆喰の耐用年数はなんと100年以上

漆喰を適切にメンテナンスしていくと、100年以上も持つと言われています。
コンクリートの耐用年数は約50年のため、比較するとかなりの長寿命です。

漆喰は空気中の二酸化炭素と反応し、100年かけて「再石灰化」が進み、再石灰化が進むにつれて、さらに強度が増していきます。

強度が高いため、1万年以上前のメソポタミア文明の遺跡にも漆喰が使われていました。
日本でも伝統的な土壁に塗る材料として、古くから利用されています。

漆喰外壁は10年後どう汚れるのか

漆喰の耐用年数は長いのですが、10年ほど経過すると汚れが目立ってくるケースがあります。

漆喰は雨水を吸って湿った状態が長く続くと、カビや藻が発生しやすくなります。

例えば、バルコニーの下部や窓枠の下から数十センチほどの黒い雨だれの跡が付いたりします。
日が当たらない場所では、漆喰の調湿機能が発揮しきれず、カビや藻が発生しているケースもあります。

また、泥はねが漆喰外壁に付着すると、汚れる場合もあります。
軽い汚れであれば、水洗いしたり消しゴムでこすったりすると落とせますが、広く汚れがある場合は専門の業者にメンテナンスを依頼するのが良いでしょう。

漆喰外壁で10年で発生する傷みと傷みやすい箇所

漆喰外壁のバルコニーの下部や窓枠の下など、雨だれしやすい部分は傷みやすくなっています。
特に雨が多い季節は漆喰が乾く時間がなく、傷みが発生する原因となります。

地面に近い場所では、コンクリートやタイルの上に流れる雨水を漆喰が吸い上げる状態になっていると、傷む原因となります。

日光が当たりにくい北側の壁面は、壁面が乾燥しにくく、湿度が高くなりやすいので要注意です。

風通しが悪い場所も注意が必要です。
例えば、バルコニーの内側は風通しが悪いため漆喰が傷みやすくなっています。

また、漆喰は引っかき傷に弱いため、先端が鋭いもので漆喰外壁を傷つけないように注意が必要です。

10年~15年で専門業者に点検とメンテナンスを依頼する

ちょっとした劣化ならDIYで補修できますが、表面にひび割れが発生している場合は全面を塗り直すと、新築時のように綺麗な見た目になります。

大きなひび割れがある場合は、漆喰を剥がしてからの再施工が必要となります。

塗り直しや再施工はDIYで行うには範囲が広すぎるため、10~15年で専門業者に点検とメンテナンスを依頼するのがおすすめです。

漆喰の施工品質は左官職人の技術に左右されるため、腕の良い職人が在籍している業者を探すことも大切です。

漆喰の経年変化について

漆喰は、経年により徐々に見た目や性質が変化します。

自浄作用によりきれいな見た目が保たれますが、施工した場所の日光の当たり方によって色の違いが出てきます。

目立つ汚れや黒ずみなどがある場合は塗り直しが必要なケースもありますが、経年変化を楽しめることは自然素材ならではの特徴と言えます。

漆喰は経年劣化するのか?

漆喰は100年以上持つ素材ですが、適切にメンテナンスしないと経年劣化が進みます。
ただし、漆喰は一般的な外壁材やビニールクロスなどと異なり、劣化のスピードがゆっくりです。

メンテナンスが必要かどうか、10年おきくらいに専門業者にチェックしてもらうことをおすすめします。

カイケンの『幻の漆喰®』

カイケンの『幻の漆喰®』は、主原料として干潟で名高い有明海の赤貝の殻を使って作られています。
自然素材しか使っていないため、人体にも無害で安全、さらに独自の「光熱触媒」作用により、室内の化学物質を半永久的に吸着・分解し、住まいの空気をいつまでも清浄に保ちます。
空気中のホコリなども吸着・分解するので、お部屋のお掃除が楽になったという声もたくさん寄せられています。

また、『幻の漆喰®』と同等の性能を持ち、より塗りやすくして施工性を高めた『幻の漆喰®ピュアケアウォール®』も開発されています。
カイケンの『幻の漆喰®』はこちらのページで詳しくご紹介していますので、ぜひご覧になってみてください。

カイケンのInstagramでは、『幻の漆喰®』と『音響熟成®木材』を使った『空気がうまい家®』の施工例や、お住まいになられている方々それぞれのお話、自然を楽しむ暮らしのヒントなどを発信していますので、あわせてご覧いただければと思います。

なぜ漆喰は10年後も綺麗な外観を保てるのか

なぜ漆喰は、10年後も綺麗な外観を保てるのでしょうか。
ここでは、その理由について詳しく解説します。

漆喰には以下のように多くのメリットがあるため、10年後も綺麗な外観を保つことができます。

  • 二酸化炭素を吸収して硬くなっていくため強度が上がっていく
  • 自浄作用があるため汚れが分解される
  • 強アルカリ性のためコケが生えづらい
  • 調湿作用があるためカビが生えづらい
  • 小さい欠けや浅いひび割れが起きても機能性が落ちない

二酸化炭素を吸収して硬くなっていくため強度が上がっていく

漆喰は二酸化炭素を吸収すると、主成分である水酸化カルシウムが石灰石へと徐々に変化します。
この過程で硬化が進み、強度が上がっていきます。

また、硬化が進む段階で漆喰は徐々に多孔質になっていきます。

自浄作用があるため汚れが分解される

漆喰には自浄作用があるため、壁に付着した汚れが時間とともに薄れていきます。

また、漆喰には建材から放出されるホルムアルデヒドを分解する能力もあるため、化学物質へのアレルギーが心配な方にもおすすめです。
特に新築時は建材から有害物質が放出されやすいため、効果的です。

漆喰には強い抗菌作用もあります。
pH12以上という強アルカリ性のため、カビや細菌を防いでくれます。

さらに漆喰には、においを吸収する役割もあります。
これは漆喰に無数に空く穴が、においを吸着するからです。
化学物質や菌が気になる方は、漆喰を選択肢に入れてみましょう。

強アルカリ性のためコケが生えづらい

漆喰は、強アルカリ性のため細菌や微生物が生存できません。
この性質により漆喰外壁にはコケが生えづらくなっています。

ただし、漆喰は経年によりアルカリ度が下がります。
アルカリ度が下がると、湿度が高く湿っているなどの条件によってはコケが生えやすくなるため、きちんとメンテナンスを行いましょう。

調湿作用があるためカビが生えづらい

漆喰には高い調湿作用があるため、カビが生えづらくなっています。

漆喰には無数の微細な穴があり、これにより湿気をコントロールしています。
湿度が高い時は湿気を吸収して、湿度が低い時には湿気を放出するようになっています。

梅雨のジメジメした時期でも、もちろん調湿作用が発揮されます。
漆喰に雨が染み込んだとしても、晴れた日にしっかりと湿気を放出してくれるため安心です。

漆喰の小さい欠け・浅いヒビ割れでも機能性が落ちない

漆喰は、小さい欠けや浅いヒビ割れがおきている程度なら、機能性は落ちません。
欠けやヒビ割れが目立ってきても、補修することで漆喰を長持ちさせることもできます。

例えば、ヒビ割れの補修では、霧吹きスプレーを使って水をヒビ割れの部分に吹きかけ、ヒビ割れに沿って筆で漆喰を塗って補修します。

漆喰の寿命が短くなってしまう原因5選

これまでご紹介してきたように、漆喰にはさまざまなメリットがあります。
しかし劣化した状態を放置すると、漆喰の寿命が短くなることがあるかもしれません。

ここでは、漆喰の寿命が短くなってしまう以下の5つの原因を、詳しくご紹介します。

  • 経年による変色やコケによる漆喰の劣化
  • 漆喰の剥がれによる雨漏り
  • 直射日光や寒暖差による漆喰の劣化
  • 経年によって漆喰が痩せていく
  • 地震による漆喰のひび割れや欠け

経年による変色やコケによる漆喰の劣化

漆喰は経年により変色したり、コケによって劣化したりすることがあります。

新しく塗られた漆喰は白さが際立ちますが、多孔性の性質上、ホコリが付着しやすいため、これが黒ずみの原因となることも。

漆喰外壁の家が建物や木々の密集している地域にあったり、排気ガスの影響を受ける道路沿いにあったりすると、変色しやすくなります。

漆喰にコケが発生しやすいのは、川の近くや日陰の多い場所、風通しが悪い場所などです。
雨だれのように、部分的にコケが発生する場合もあれば、壁面全体が黒ずむケースもあります。

ちなみに、雨で湿った状態の漆喰は黒ずみが目立ちますが、晴れの日が続くと目立たなくなることもあります。

漆喰の割れや剥がれによる雨漏り

漆喰は、経年により下地材が劣化して割れや剥がれが発生することがあります。
割れた部分から雨漏りをしてしまうと劣化が進み、放置していると漆喰外壁のさらなる剥がれにもつながります。

漆喰は引っかき傷に弱く、硬化後に硬い物で引っかくと簡単に傷が付きます。
引っかき傷は新しい漆喰外壁にも発生してしまうため、人通りの多い地域や小さな子どもがいる家では、引っかきによる傷に注意が必要です。

また、瓦屋根の下に漆喰が塗られている場合にも、漆喰の剥がれによる雨漏りが発生することがあります。

直射日光や寒暖差による漆喰の劣化

直射日光や寒暖差によっても、漆喰は劣化します。

漆喰は湿気を含むと膨張し、乾燥すると収縮する性質があります。
温まっても膨張するため、直射日光や寒暖差のある場所では、漆喰の劣化に注意しましょう。

膨張・収縮が繰り返されると、欠けやヒビ割れが発生することがあります。

経年によって漆喰が痩せていく

経年によって漆喰が痩せる現象も起こります。
これは、時間経過とともに漆喰から水分が抜けていくからです。

漆喰の痩せは機能性にはほとんど問題にならないため、心配しすぎる必要はありません。
漆喰の痩せによって不具合が発生した場合は、専門業者に増し塗りをしてもらうのがおすすめです。

地震による漆喰のひび割れ・欠け

地震の揺れによっても、漆喰にひび割れや欠けが発生するリスクがあります。
特に日本は地震が多い地域のため、注意しなくてはなりません。

ひび割れが発生した場合は、その都度、薄く上塗りして補修すると、ひび割れが広がらずに済みます。
ちなみに、ひび割れが発生しにくい撥水性の成分が含まれた漆喰も販売されています。

地震ではなく、経年によるひび割れは建物に大きなダメージを与えるものではないため、問題ありません。

10年保つための漆喰外壁のお手入れ方法

施工から10年経過しても漆喰外壁を良い状態で保つには、日頃のお手入れが肝心です。

ここでは、「軽い汚れの場合」「広い範囲で汚れてしまった場合」「傷やひび割れができてしまった場合」の3パターンに分けて、具体的なお手入れ方法をご紹介します。

汚れた範囲によってお手入れ方法が異なるため、ぜひ確認されてみてください。

軽い汚れの場合

漆喰の軽い汚れは、消しゴムでこするだけで取り除けます。

消しゴムで取り除けない大きな汚れは、サンドペーパーで削り取ります。
漆喰は非常に硬いため、少量を削っても耐久性には問題ありません。

サンドペーパーの使用に抵抗がある場合は、漂白剤を使ってみましょう。
汚れの部分に漂白剤を吹きかけ、数時間放置した後に拭き取ると、削らずに汚れを落とせます。

漆喰にカビが発生している場合は、水で薄めた塩素系漂白剤を使って拭き取ることも効果的です。

広い範囲で汚れてしまった場合

狭い範囲の汚れであればDIYで塗り直しが可能ですが、広範囲に及ぶ場合は汚れが深く浸透していることが多いため、専門の業者による塗り直しが必要です。

広範囲への施工では、古い漆喰を完全に取り除いた後に、塗り直します。

外壁の周囲に足場を組む必要もあるため、事前に費用についても確認しておくと安心です。
広範囲の塗り直しには、約1か月はかかります。

傷やひび割れができてしまった場合

小さな傷やひび割れであれば、新しい漆喰を重ね塗りする方法により改善できます。
ただし、新旧の漆喰の色の違いや塗り方の差により、修復箇所が目立つことがあるため注意しましょう。

修復箇所を目立たせたくない場合は、壁全体を塗り直す必要があります。

また、漆喰が剥がれるケースもあります。
特に、地面に近く雨水が跳ね返る部分は、漆喰が剥がれやすくなります。

剥がれた場合は、下地を平らに補修した後に、新しい漆喰を塗る必要があります。

業者へ依頼して修復

漆喰の大がかりなお手入れは、専門業者へ依頼して行うのが一般的です。

漆喰外壁のお手入れには手間と時間がかかるため、業者へ依頼することをおすすめします。

特に高所での作業には危険が伴うため、費用を抑えるために安易にDIYを行うことはおすすめできません。
施工品質の面でも、業者に依頼したほうがメリット大です。

ひび割れが多い場合や剥がれがある場合、全面にカビが生えている場合なども、業者への依頼がおすすめです。

DIYで修復

漆喰は、軽度なひび割れや傷であればDIYでも補修できます。

また、人目に付かない場所でそこまで綺麗に仕上げなくていい、という場合もDIY可能です。

DIYで修復する際は、以下の道具を用意しましょう。

  • 補修用の漆喰
  • 小さなコテ
  • 紙やすり
  • 手袋


また、施工前にマスキングテープ・養生シート・養生テープで周囲を保護することも大切です。

DIYでは修復跡が目立ちやすいため、ある程度の妥協が必要です。

漆喰をヘラで塗って乾かす工程を2回行い、仕上げに紙やすりをかけるのが修復の基本です。

まとめ

漆喰は耐久性が高い素材のため、新築から10年後も外壁を良い状態で保てます。
ただし、定期的なメンテナンスは欠かさないようにしましょう。

軽い汚れはDIYで補修できますが、大がかりなお手入れは、専門業者への依頼が必要なため、10〜15年で点検とメンテナンスを依頼するのがおすすめです。

日陰や多湿の場所は漆喰が傷みやすい、寒暖差などにより漆喰の寿命が短くなることがある、といったことなど、漆喰のデメリットについても事前に知っておくと、安心して外壁に漆喰を採用できます。

この記事を参考に、ぜひ漆喰外壁を検討されてみてください。

この記事のまとめ

漆喰は10年後でも綺麗な外壁を保つことができる

漆喰の寿命が短くなる原因は、割れや剥がれによる雨漏りや寒暖差による漆喰の劣化

漆喰外壁のお手入れは、軽い汚れや軽度なひび割れや傷であればDIYで補修可能

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