自然素材がつなげてくれた、人・暮らし・エコロジー活動
今回ご紹介するのは、沖縄県中頭郡(なかがみぐん)読谷村(よみたんそん)にお住まいのS様です。
カイケンコーポレーションの季刊誌『SAiN』で4回にわたり掲載している、沖縄の空気がうまい家にお住まいの「OPEN HEART」な方々をご紹介する特集企画「こころひらける暮らし」と連動してお届けします。
関東から沖縄に移住されたS様がカイケンの自然素材をお知りになったのは、「私たちの空気がうまい暮らし」でもご紹介した、沖縄県浦添市のM様のヨガ教室でした。
そこから生まれたご縁がつながって、「空気がうまい家」を新築されることに。
そして今では、沖縄の空と海の素晴らしさからのお気づきもあって、自然環境や社会問題に配慮したエシカルなアイテムをセレクトしたショップ『macoro』を運営され、さらには音響熟成木材の端材をアップサイクルする『Earthful Harmony』プロジェクトのメンバーとしても活動されています。
そんなS様の住まいと暮らし、そして同じ思いを持つ方々との取り組みを、ご紹介させていただきます。
出会いは、素敵なヨガの先生の居心地のいいサロン
ご主人のお母様が沖縄にお住まいだったこともあって、ご一家で関東から沖縄に移住されたS様ご家族。
当初、沖縄で「新築の家を建てる」というイメージはほとんどなかったそうで、「この素材に出会わなかったら、わざわざ新築しようって思ってないよね」といったことを、ご夫婦でお話になっていらっしゃったとのこと。
S様がカイケンの自然素材にはじめて出会われたのは、ご縁があって、この「私たちの空気がうまい暮らし」でご紹介したM様のヨガ教室が開かれていた、読谷村のサロンでした。
沖縄に移住して一週間ほどしか経っておらず、まだ引っ越し疲れも残っていたS様を、お母様が誘ってくれたのだそうです。
「お母さんが、M先生のヨガに通っていて、“ちょっと気晴らしに行ってみない?”ってことで、連れ出してくれたんです。サロンでヨガのレッスンを受けて、しょっぱなから寝てしまって(笑)。気持ちよすぎて(笑:S様)」。
自然素材で作られたサロンの居心地の良さはもちろん、M様の素敵なお人柄や、そこに集まっていらっしゃった方々の雰囲気など、すべてが心地いい場所でした。
「M先生とか、すごいナチュラルに受けとめてくれて。オーラがすごいんです、みんな(笑)。とりこになって、通いましたね(S様)」。
家族みんなで「これしかない」
自然素材のヨガ教室に通われるうちに、だんだんと「このサロンと同じ自然素材を使ったお家が建てたい」という思いがつのっていったというS様。
実は、S様邸の施工を担当されることになったラムハウジングの川上晃奈さんもM様のヨガ教室に通われていて、読谷村のサロンには、音響熟成木材と幻の漆喰を使った空気がうまい家づくりの資料が置いてありました。
ここにもご縁があって、S様はラムハウジングさんに連絡され、家づくりのご相談をされることになったのです。
ヨガ教室のサロンで自然素材の良さを体感されていたS様は、ラムハウジングさん以外での家づくりは考えられなかったとのこと。
「もう、ほんとに他は考えられないってかんじでしたよ。“こんなお家は初めて見た”っていう。他の会社を見たっていうよりか、いろんな人のお家に行って経験した中で、こんなお家ないじゃないですか(S様)」。
お母様も同じ思いを持っていらっしゃいました。
「“わたしは他を考えられないんですけど、お母さんどうですか?”って聞いたら、“間違いないと思うわよ”って。お互いヨガ教室のサロンに行ってたこともあって、この自然素材がいちばんいいっていうのは知っていましたからね(S様)」。
ご主人が確信されたのは、ラムハウジングさんのご案内でお出かけになった、弊社のさつま工場のコンセプトハウスでの体感宿泊でした。
「主人は、鹿児島に行って泊ってみて、やっぱり“他はないね”っていうかんじで、“もう、これに住めるなら、他は絶対ないわー”って(S様)」。
自然素材を使った家づくりは、実際に「体感」していただくことがいちばんで、実感し、納得していただけるのだと思います。
体感を通してみなさんの思いがひとつになった、S様ご家族。
M様のヨガ教室を中心に、人と自然素材がご縁をつなげて、素敵な家づくりの夢がかなえられることになりました。
やわらかな自然光が空間を満たす、カフェのような雰囲気のLDK
沖縄ではコンクリート造りの住宅が主流で、木造住宅はそれほど多くはありません。
建築関係の仕事をされているS様のご親類も、自然素材のS様の住まいをご覧になって「沖縄でもこんな家づくりがあり得るんだ」と、びっくりされていたそうです。
家づくりは順調に進み、やがて誕生した2階建て35坪のS様邸。
そこには、S様のいろいろなこだわりがいかされています。
S様邸でまず印象的なのは、LDKのまるでカフェのような素敵な雰囲気。
北側にあたるキッチン奥の高い位置に、大きめのFIX窓が設けられていて、そこから入るやわらかい自然光が天井の高い開放的な空間を明るく満たし、素敵な空気感を生み出しています。
「この窓、最高でしたね。設計してくれた方が、“日中に光がぜんぶの部屋に入るから、電気使わなくても大丈夫だよー”ってことで。ほんといい感じになりました(S様)」。
また、音響熟成木材の腰壁が設けられていて、「木」と「漆喰」のバランスがいい塩梅で仕上がっています。
この仕様も、「どうしても木のぬくもりを半分入れてほしくて」というS様のご要望から生まれました。
レンジフードの目隠しをいかして、オリジナリティのあるキッチンに
個性的なアイデアは、キッチンにもいかされています。
レンジフードとダクトの目隠しとして天井から取り付けられた音響熟成木材のパーツが、デザイン的なインパクトを生み、キッチンのオリジナリティがぐっと高まっています。
「これもかっこいいですよね。非日常的で、贅沢感があって。ほんとに大好きです、この空間」と、S様にもたいへんご満足いただいています。
さらにキッチンは、左右を回遊できる動線になっていて、使い勝手もとてもいいそうです。
いわば「リトル・アイランド型」のキッチンともいえそうですね。
「最高ですよね。朝なんか、3人立っても、余裕ですもん(S様)」。
「掛ける収納」で「洋服をたたまない家」に
S様のこだわりは、収納にもありました。
「“たたまない収納”は、絶対でした。家族分とかだと、毎日、洗濯物が“山”なんですよ。だから、たたまなくてもいいように、ぜんぶ“洋服を掛ける収納”にしてもらいました。洗濯物を干すハンガーをそのまま持ってきて、収納スペースに掛ければいいので、めっちゃ便利です(S様)」。
間取りにもこだわりがあり、お子さんたちの足音が気になってもいいように、2階の子ども部屋の階下には、水まわりとご夫婦の寝室を配置。
また、お母様に気を配って、トイレを2つ設けるなどのプランが取り入れられています。
子どもたちもこの家が大のお気に入り
私たちの経験を通じて思うのですが、子どもたちは自然素材の良さにとても敏感です。
そのせいなのでしょうか、S様ご家族のお子さんたちも、このお住まいが大好きなのだそうです。
「こどもたち、毎日言ってますよ、“新居サイコー”、“ママ、新居いいねー”って(笑)。とっても気に入ってますね。このお家に引っ越すのもずーっと楽しみにしてましたよ(S様)」
唯一無二の木の表情に、毎日感動
自然素材は、唯一無二。
それぞれに異なる表情の「わが家だけの自然美」があって、年月とともに味わいを深めていきます。
「毎日、木が見えて最高なんですよ。寝る時も寝室の天井の木を見て、うっとりします。毎日感動です(S様)」。
以前はコンクリートの賃貸アパートにお住まいだったSご家族でしたが、この家で暮らすようになって、いちばん「違う」と実感されたのは、「冬でもほんとにあったかい(S様)」ということでした。
取材時は引っ越されたばかりでしたので、梅雨の湿気や夏の暑さの中での暮らしは、未経験。
「どんな感じですかねー、楽しみですねー(S様)」と、おっしゃっていました。
いつかまたお伺いして、このお家での一年のご体感の感想を、お聞きしたいですね。
エシカルなアイテムのセレクトショップ『macoro』
もともと「倫理的」という意味の「エシカル:ethical」という言葉。
現在では、環境に配慮した「エコ」や持続可能なライフスタイル「ロハス」などの考え方をさらに広げて、「エシカル=人・社会・地球環境に配慮した倫理的に正しい消費行動」という意味を持つようなりました。
S様は、そういったエシカルなアイテムをご自身でセレクトされ、ご自宅の一部屋とWEBサイトを使って『macoro』というショップを運営されています。
沖縄で暮らすようになって海や空を眺めることが多くなり、自然のかけがえのなさ・大切さにあらためてお気づきになると同時に、私たち人間が自然に与えているマイナスの要素も考えるようになっていったそうです。
それから、環境問題に取り組む方々や、環境に配慮したものづくりなどを知っていくにつれて、「自分でも発信していきたい」と思われるようになりました。
「何回も繰り返し使える『蜜蝋ラップ』に出会ったとき、衝撃的で。ぜんぜん知らなかったんですよ。“これを日本人が一枚ずつ持ったら、世の中変わるかもしれない”って思ったんですよね。こういうものがあるのに、知らなくて使っていなかっただけだから、“知ることができれば使っていたなー”と思ったんです。
まだ知らない人はいっぱいいるから、“知らせる人が必要だな”と思って、“自分も何か発信していこうかな”と、そういう雑貨をいっぱい調べはじめて、“こんなものも、こんなものもある”って集めていったら、“あ、お店もてそうになってきた”っていう(笑)。
最初はオンラインショップだけでやってたんですけど、なんせ、在庫たまってきちゃったんで(笑)、“これは店舗をもたなければいけない”と(S様)」。
『macoro』とは「まごころ」から。
「生存している全て(生物・植物・人間・自分自身)に対して、真心の思いやりを持って暮らすことのできる今と未来になると良いな」という、S様の想いが込められています。
音響熟成木材のアップサイクルプロジェクト『Earthful Harmony』
この『私たちの空気がうまい暮らし』と『SAiN78号』でも紹介した沖縄市のF様や、ラムハウジングのご担当である川上晃奈(あきな)さんたちと一緒に、S様は、音響熟成木材の端材の価値をより高めて創造的に再利用する「アップサイクル」のプロジェクト『Earthful Harmony』にも取り組まれています。
『Earthful Harmony』の考え方が一目で伝わるコンセプトシートは、S様の“ひらめき”から生まれました。
「パッと見たときに、“あ、なんか意味のある木なんだな”って、みなさんにより知ってもらえる、一目で伝わるものが、ともかくほしくて。それが、ほんとにパーンとおりてきて。晃奈さんとやりとりしてるときだよね、“あ!おりてきた!”とか言って(笑)。“こんなのしたい”って、パンパンパーンってイメージがでてきて(S様)」。
そのS様の“ひらめき”は、メンバーのみなさんと一緒にブラッシュアップされ、イラストを使ってまとめられ、素晴らしいコンセプトシートが完成しました。
『Earthful Harmony』のチームのみなさんたちは、音響熟成木材のアップサイクルアイテムを生み出し、いろいろなイベントに出店され、その価値を伝え、広げてくれていらっしゃいます。
また、チームのみなさんで、音響熟成木材の原木となる南九州産の杉のひとつである飫肥杉の製材所の見学に出かけられたりして、学びを深め、ものづくりにフィードバックされています。
私たちにとっては、とても光栄で、大変うれしい活動です。
本当にありがとうございます!
地球は、愛と調和で成り立っている 大切なものを大切に
『Earthful Harmony』さんが大切にされている言葉は、「地球は、愛と調和で成り立っている」。
『macoro』さんが大切にされている言葉は、「大切なものを大切に」。
この2つの想いのこもった言葉は、カイケンコーポレーションにとっても、リスペクトする大切な言葉になりました。
素晴らしい出会いとご縁に感謝するとともに、私たちもいっそう真摯なものづくりに取り組んでいかなければと、決意を新たにしています。
S様、ありがとうございました!
これからも、その活動をフォローさせていただきます!
●macoro
WEBサイト https://www.macoro.jp/
インスタグラム https://www.instagram.com/macoro.jp/
●Earthful harmony
インスタグラム https://www.instagram.com/earthful_harmony_okinawa/