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カイケンコーポレーション

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8年ぶりにお訪ねした、住まいと健康の関わりを実感できる家

●広島県 大竹市 T様 築11年(2012年完成/2023年2月取材)

広島県大竹市の住宅地にあるT様邸は、築11年を迎えるお住まいです。

ここT様邸は、2015年に季刊誌『SAiN』の取材でお訪ねさせていただいたことがあります。
それから8年、またおじゃまさせていただき、あらためて家づくりのいきさつをお聞きするとともに、現在のお住まいの住み心地などについて、お話をお伺いしてきました。

2012年に誕生したT様のお住まい。
築11年を迎えました。

きっかけは分譲地、ご縁のつながりは不動産会社

市営住宅にお住まいだったT様ご家族の家づくりのきっかけになったのは、その当時は企業の社宅などが建ち並んでいた現在お住まいの土地が、分譲地になったことでした。

T様ご家族は、市営住宅アパートの4階にお住まいだったため、足の具合が悪かったお母様の上り下りがつらかったこともあって、平地に家を建てたいとのご希望がありました。
お住まいだったアパートに比較的近く、もともと田んぼで地盤的にも問題ないこの土地のことは、「もしかしたら分譲されるんじゃないかなあ(T様)」と、ずっと気にかけていらっしゃったとのこと。
分譲になってすぐ、この土地を扱っている不動産会社さんに申し込まれたそうです。

まったくの偶然なのですが、T様がご相談された不動産会社さんは、T様邸を施工された株式会社あさひの栢木(かやき)社長が懇意にされている不動産会社でもありました。

土地は確保したけれど、T様は家づくりを頼みたい工務店のことまでは考えておられず、不動産会社さんに地元の工務店さんを紹介してもうらうことになって、あさひさんとの出会いにつながったそうです。

運命のようなものを感じ、迷うことなくあさひさんにご依頼

これも偶然なのですが、T様はカイケンコーポレーションの自然素材のことをご存知でした。

「当時、たまたま見ていたローカルのテレビ番組で、漆喰を使った家づくりをやってたんです。それで『幻の漆喰』を知って、“自分が建てるなら、この漆喰を使った家を建てたいな”と思うようになりました(T様)」

ただ、予算のことなどもあって、「いずれリフォームする時にこの自然素材を使おう」と考えられていたそうです。

ところが、ご縁のあるたまたまの偶然が、かさなります。

「あさひさんがどんな家をつくっているか、まったく知らない状態で会ったんですけど、“内壁をぜんぶ漆喰でやって”みたいな話をされるから、“あれ?”と思って。普通の家だったら、外壁はサイディングだし、内壁はビニールクロスとか、新建材を使うのが普通じゃないですか(T様)」

その当時、ホームセンターに勤められていたT様は、新建材やフォースター、ホルムアルデヒド、KD材などについて、おおまかに知っていらっしゃいました。

あさひの栢木社長からさらに詳しく話を聞いていくと、T様がテレビでご覧になった『幻の漆喰』をあさひさんも使っていることが分かって、大変驚かれると同時に、運命のようなものを感じられたとのこと。

迷うことなく、あさひさんに家づくりをお願いされることになりました。

水や塩を変えても、あらゆることを試しても、治らなかったアトピー

実は、T様が自然素材に関心をお持ちになったことには、切実な理由がありました。
中学生の時に突然発症したアトピー性皮膚炎に、長いあいだずっと悩まされていらっしゃったのです。

「当時はまだ10代の子どもですから、突然のことで原因もぜんぜん分からなかったですね。思春期だから、ニキビがでたりしてたんで、そういうのもあるのかなっていうのはあったんですけど、それにしてもひどいっていうんで、病院にかかったのが始まりなんですけど。とにかく痛いし、痒いし、なんですよね。どっちかならまだ耐えられるんですけど。とくに痒いのはつらいんですよ。寝てるあいだに無意識に掻いしまったり、どうにもならないんで(T様)」

その後、水を変えたり、塩を変えたり、とにかくアトピーに効きそうなことはいろいろとお試しになられたそうなのですが、改善することはなかったそうです。

「水と塩を変えて、それでも良くならないってことは、あとは“空気”だろうと(T様)」

それから、T様ご自身で住まいの環境や建材のことなどを調べるようになられたそうで、テレビで『幻の漆喰』を知って、“この素材を使いたい”と思われたのも、あらかじめそういう意識をお持ちだったことが大きかったようです。

8年ぶりに取材させていただいたT様。

素材へのこだわりがいちばん大事だった

あさひさんとの家づくりは、スムーズに進んだとのこと。
T様の方で考えられたおおまかな間取りをベースに、栢木社長が設計案を出され、そのプランにT様のご要望を加えて検討していく、というやりとりが何度かあって、満足のいく住まいが誕生しました。

「2階の納戸の裏側に、部屋から行ける3畳の書庫を作ってもらいました。私の夢だったんで、それだけは実現させてもらったんですけど。あとはやっぱり、体にいい自然素材を使うことが大事でした。私にとっては、“何を使うか”が、家づくりでいちばん大事だったんで(T様)」

築11年とは思えない白さの「幻の漆喰」の壁面。

音響熟成木材のフローリングは美しいツヤが出て、
「うづくり」の感触はより心地よくなっているようでした。
築11年、2023年の玄関。
以前に取材させていただいたときの、2015年の玄関。

いちばん願っていたアトピーの改善が実現

このお住まいで暮らし始められて、いちばん最初に「変わったな」と実感されたのは、鼻炎がおさまったことでした。
T様にはアレルギー性鼻炎の症状もあり、朝起きるといつもくしゃみが出て、鼻をかむのがルーティーンだったそうなのですが、引っ越して2ヶ月ほどでよくなられたそうです。

アトピーの症状もだんだんと落ち着いてきて、新居での最初の夏に、改善を実感されたそうです。

「夏になると、どうしても汗をかくじゃないですか。そうなると、すぐ痒くなるんです。起きてるときは意識して掻かないようにもできるんですけど、寝汗をかいたときに、どうしても掻いてしまって、朝起きたらひどい状態になってたり・・・。それが、気になるレベルにならないっていうか(T様)」

それからずっと、アトピーの症状は落ち着いた状態が続いているとのこと。

T様にとって、このお住まいで暮らしてみて本当によかったことは、いちばんの願いだった「アトピーの改善」が実現したことでした。

足腰の痛みがあったお母様も、正座ができるように

T様のお母様にも、このお家に住まわれてから、うれしいことがありました。

お母様は、ここにお住まいになる2年ほど前から足腰に痛みが出て、椅子に座るのがつらかったり、正座ができない状態になられていました。

「何でか分からないんですよ。整骨院に行ってたんですけどね、“もう絶対に、正座できません”って言われたんですよ(お母様)」

新居に引っ越しされたあと、ご主人からの助言もあって、通院をやめられて、入浴中にゆっくり少しずつ正座の練習をされていたそうなのですが、やがてしぜんに、正座ができるようになられたのです。

「何が良かったのか、はっきりは分からないんですけどね。このお家にお客さんが来られてね、“まあ、いい匂いするね” “いいお家ね”って言われるんですけど、私たちは毎日ね、朝からこの家の空気を吸ってるじゃないですか。そうすると、血流じゃないけど、なんかよくなるんですかね(お母様)」

今年、数えで米寿を迎えられたお父様もお元気で、病院に行かれた際など、お医者さんが“これだけしか薬をのんでないんですか?”と驚かれるそうです。

「主人は、毎日ビールは飲みますし、お肉も食べられるし(笑)。娘もそうですけど、家族みんな元気なんですよね。おかげさまでね(お母様)」

ご家族みなさまお元気で、私たちもうれしい限りでした。

築11年、穏やかな暮らしが自然素材をより美しく

あくまでも私たちの経験としてなのですが、穏やかに暮らされているお家や、素材への愛情や優しさを感じるお住まいは、木がツヤツヤと光っている感じがします。

「すべて何でも、そうじゃないですか。子どもにしてもそうでしょ、やっぱりね。大事にすればね、すくすく育ちますよ(お母様)」。

一般的な新建材の家の場合、ある程度の築年数になると、ビニールクロスの張り替えや合板の床の張り替えなどが必要になってしまいがちですが、築11年を経たT様のお住まいは、幻の漆喰の壁もきれいで、無垢・無塗装の音響熟成木材もいきいきしていて、まだまだリフォームの必要性は感じられません。

「カイケンさんの自然素材の家は頑丈だし、設備の経年劣化とか間取りを変えるとか以外は、メンテナンスはほとんど必要ないと思います(栢木社長)」

「音響熟成木材の床板の厚さを見たときに、びっくりしましたもんね(笑)。あの半分以下の薄さの床板なんて普通にありますからね。しかも、ワックスも塗らなくていいですからね(T様)」

書斎を持つほどの本好きで、読書が趣味のT様。
これからの暮らしでやってみたいことは、「FIRE:ファイア(Financial Independence, Retire Early)/経済的自立と早期リタイア」とのこと。

「日なたぼっこしながら、本とかずっと読んでいけたらいいかなあ、っていう。もうすぐローンも終わって、この家なら修繕費もそんなにかからないでしょうし(T様)」。

築11年、2023年の音響熟成木材の階段。
無垢・無塗装の自然のままの美しく味のあるツヤが出ています。
築3年、2015年の音響熟成木材の階段。
若木のようなさわやかな印象です。

その家に入った瞬間の「におい」と、一生暮らせるかどうか

実際に11年お住まいになられているT様のご経験から、これから家づくりを考えていらっしゃるみなさまに、アドバイスをいただきました。

「“におい”を大事にした方がいいと思います。人間、1時間も同じところにいれば、そこのにおいに慣れてしまうんで、“その家に入った瞬間のにおい”、そのにおいと共に生きていけるかどうか。モデルハウスやショールームとかに入ってみてもらって、“入った瞬間のにおいが永遠に続く”というイメージを持ってもらうのがいいかなと思います(T様)」

本当にありがたいことなのですが、T様とお母様は、あさひさんが開催される「空気がうまい家」の見学会などにお越しいただいて、実際にお住まいになっている経験にもとづいた「生の声」を、みなさまにお伝えしていただいています。

「普通にマスコミを見てる限りでは、それこそ規則正しい生活と、運動と、3食栄養バランスのとれた食事をとっていれば、人間、健康になれるとしか思えないじゃないですか。それ以外のことについて、人間が健康になる方法なんて、一切、言わないじゃないですか。だけど実際、ストレスや住環境のこともあったりして、人間はそんな単純なものじゃないと思うんです(T様)」

T様のご経験からも分かるように、アトピーやシックハウス症候群の治療は、対処療法がほとんどで、根本的な原因の改善に至ることはなかなか難しいようです。

私たちもできる限りの情報発信を行って、シックハウスやアトピーなどで苦しまれていらっしゃる方々のためにも、引き続き「住まいと健康の関係性」について、しっかりお伝えしていかなければと思いますし、これまで地道にお伝えしてきて、かけがえのない出会いが着実に増えていっている確かな実感もあります。

今回のT様のお話や、この『私たちの空気がうまい暮らし』を通じて、一人でも多くのみなさまに、自然の力をいかした家づくりに共感していただけたらと思います。

T様、お母様、そして、お父様と妹様、ありがとうございました!

『SAiN』2015春44号でご紹介したT様の記事はこちらからご覧いただけます。
(P07〜08に掲載されています)
 https://e-kaiken.com/sain/_assets/back-number/44/sain_44.pdf

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