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心がほっと落ち着ける、自然素材の里山カフェ

●山口県 岩国市 Y様 築16年(2007年完成/2023年2月取材)

今回取材させていただいたのは、山口県岩国市の山あいに16年前にオープンした「里山カフェ HAKU」さん。

大自然の心地よい空気を感じながら、体にやさしい素材にこだわったお料理やお菓子がいただける、オーナーのY樣の思いがつまった「里山カフェ HAKU」は、16年の時を経た現在もたくさんの方々に愛されています。

お店づくりのきっかけ、開店から16年経過した現在の思い、そしてこれから広がるプランなどについて、Y様にお話をお伺いさせていただきました。

山口県岩国市の山あいに、2007年に誕生した「里山カフェ HAKU」。

はじまりは「みんながほっとできる空間をつくりたい」という思い

「この土地に立ったときに、とても気持ちいい風が吹いていて、“この気持ちよさをみんなにも味わってもらえたら喜ぶだろうなあ”と思ったんです。人生50年っていうから、これから先はみんなの役に立ちたいっていうか、“なんかできたらいいなあ”って思って。じゃあ、”ほっとできる空間をつくりたい”って(Y様)」

50歳になったとき、そう思われたことがきっかけで、Y樣はお店をつくろうと決心されました。

Y樣は、保育士、着付師、宅地建物取引士などいろいろな資格や経験をお持ちで、3人いらっしゃる娘様も、長女さんは「お花」、次女さんは「カフェ」に興味があって、三女さんは「美容師」ということで、最初は「家族みんなでブライダルのお手伝いができるお店づくり」というイメージで始まったそうです。

実は、Y様と、このお店を施工された弊社の取引先の「株式会社あさひ」さんとは古いご縁があって、あさひの先代の社長さんが、Y様の本宅を建てられていました。

お店づくりを決意されたY様は、何はともあれ、あさひの2代目社長である栢木(かやき)伸行さんに相談されました。

「“みんながほっとできる空間をつくりたい”っていうだけで、あさひさんにお話に行って、“そういうお店を建てたいんですが、どうでしょう?“って(笑)。栢木さんは、こころよく“いいですよ”って言ってくださったんです。相談に行ってOKが出たので、それからのスタートですから、感謝いっぱいです。ほんとに(Y様)」

四季折々の自然と風が心地いい場所です。
奥の宿泊施設で民泊も運営されています。

絶妙なタイミングで実現した「からだにいい自然素材」のお店づくり

絶妙なタイミングがあるもので、Y様が相談されたとき、あさひさんはちょうど弊社の自然素材の取り扱いを始められたばかりでした。

あさひさんにとって、この「里山カフェ HAKU」さんが「幻の漆喰」「音響熟成木材うづくりフローリング材」を使った、第1棟目の新築となったのです。

Y様は、この自然素材について、当初はほとんど意識されていなかったそうです。

「だってもう、“好きにして”みたいなかんじでしたから(笑)。それが結果的には、今のわたしのお菓子づくりにしても、このお店にしても、“からだにいい自然素材”というおんなじ主軸になったというかね。お互いに、“お客様のからだにいいものを届ける”ということがブレていなくて、この自然素材を使ったことで、お店にいらっしゃるお客様にも、その思いが伝わりやすくなったと思います(Y様)」

木の香りが広がり、混ざりもののない漆喰と無垢・無塗装のフローリングの自然素材が心地いい空間です。
窓の向こうのオープンテラスでは、愛犬と一緒にお茶やお食事を楽しめます。

あさひの栢木社長が弊社の自然素材を使おうと決意されたのは、ご自身が体を壊されたことがきっかけでした。
つらい時期を経験され、「健康がいちばん大事」という思いを強く持つようになられたそうです。

今でこそ「シックハウス」や「化学物質過敏症」などについての様々な情報があり、住環境とアトピーや喘息などの関連が知られるようになりましたが、16年前の当時は「住まいと健康が関係する」とは、まだまだ知られていませんでした。

はじめて自然素材でY様のお店を完成させた後、あさひさんが2棟目に建てられたお住まいでは、ひどい喘息だったお子様が1ヶ月ぐらいでよくなられました。
この事実で、自然素材の力が「確信に変わった(栢木社長)」とのことでした。

オープンされた後、このお店で弊社主催の『健康住宅セミナー』を度々開催させていただき、Y様もお話を聞かれて、住まいに使われる建材の大切さ、自然素材が持つ健康的な力について、理解を深めていかれたそうです。

Y様も、あさひの栢木さんも、「人の体と心にいいものをつくりたい」という思いを共有されています。
たまたまタイミングが合って、この自然素材を使って「HAKU」が誕生したのは、単なる偶然ではない「縁」のようなものを感じます。

自分の思いがいちばんいかされた空間づくり

このお店のプランについて、「自分の思いがいちばんいかされているのがここで、けっこう思い通りになりました」とおっしゃるY様。

壁の漆喰の塗り方について、施工中のこんな思い出があるそうです。

「ここを塗るのはね、職人さんがすごい苦労しちゃったです(笑)。職人さんがきっちり塗りたがるのに、わたしが“きっちり塗らないで”っていうかんじでしたもんね。まっすぐきれいに塗るイメージじゃなくて、“ちゃんとじゃない塗り方がいい、ぐちゃぐちゃの方がいいんじゃ”って(笑/Y様)」

味のある塗り方で仕上げられた漆喰壁は、今も白くきれいなままで、お客様に「ここは最近できたんですか?」と、よくいわれるそうです。

フローリングも飴色に色づき、美しい艶が出ていて、木の香りもさわやかな本当に気持ちのいい場所です。

味のある塗り方で仕上げられた漆喰壁。
16年の時を経ても、白く美しい風合いです。
「うづくり」加工による凹凸が、足の裏に気持ちのいい感触を伝えるフローリング。
無垢・無塗装ならではの、自然の美しい経年変化です。

空間づくりにも工夫がされていて、収納できる扉を利用して、スペースを仕切ったり、ブライダルやライブなどのイベント時には空間を広く開放できるようになっています。

「わたしはしたいことを言って、それをかたちにしてくださって、“あ、こういう方法があるんだ”みたいな(笑)。“無理難題を言ってもOKじゃった!”みたいな(笑/Y様)」

本当にオープンから16年も経っているようには感じられない、見た目も、清々しい空気も、とても心地いい空間です。
自然素材に加え、吹き抜けの空間が、より開放感を高めてくれています。

いいものは、伝わる、分かる

オープンして16年。
今ではカフェレストランとしてだけでなく、地元の「がんね栗」など自然素材にこだわった美味しいお菓子も評判になり、山口県から表彰されるまでになっていらっしゃいます。

「今、お菓子の方も、すごい素材にこだわったものを作っているんですが、あさひさんに建てていただいたこのお店とちょうどマッチしてるっていうか、この建物自体も体にいいものですし、うちのお菓子もそうですし。お客様にも、このお店の心地よさをすごく感じていただいています(Y様)」

山間部にある「HAKU」ですが、寒い時期でも薪ストーブだけで床は暖かく、「床暖房ですか?」とおっしゃるお客様も多いとのこと。

また、足の裏に気持ちのいい「うづくり」のことなど、よくこの自然素材のことをお客様に尋ねられて、お話をされるのだとか。

お客様がこの空間を気に入られて、あさひさんをご紹介することもあるそうです。

足の裏に伝わる気持ちのいい感触が、お客様にも評判です。
お店の雰囲気を良くしている薪ストーブも、Y様のご希望。

「16年経った今でも、“木の香りがする”っていうお客様もいらっしゃるし、年数をあんまり感じさせないと思います。木なんかもね、お客様にほめていただけます。わたしなんか、建てたときはそういう知識はぜんぜんないから、今頃、“あっ、そうなんじゃ! いい素材を使ってくれてたんじゃ!”みたいな(笑/Y様)」

「この素材で家づくりをしていて、お施主様から“よかったです”とお礼を言われるんですよ。やっぱり、うれしいですね(栢木社長)」

Y様も、あさひの栢木社長も、このご縁に「よかったねえ」と笑い合っていらっしゃいました。

「お菓子もなんでもそうだろうけど、いいものは、伝わる。いいものは、分かるんだと思います。住まいも、そこに入って体で分かるんじゃないでしょうか。食べ物もそうだし、共通するところが多いと思うんですよね(Y様)」

本当に大事なこと、大切なことは、誰かに教えられたりするのではなく、すっと自分の心や体に入ってくるものなのかもしれません。

「うちのお菓子も、“これでなきゃいけん”っていう人が増えてきてるんです。“3つも4つも食べるよりは、いいものを1つでいいからそれにする”みたいなかんじだったり、“人のためのプレゼントに買いたい”とか、そういう人もいらっしゃいます。うちのお菓子をもらわれた方から、“なんともおいしかった。どこで売ってるんですか”ってお電話をいただいたりします。そうやって喜んでいただけると、お贈りになった方がうれしいじゃないですか。それが、わたしはうれしいんです(Y様)」

お菓子づくりを始めたころは専門的な知識や経験もなく、多くの方々の力を借りて猛勉強されたそうです。
今では、素材にこだわったHAKUさんの味を求め、県外からも買いに来てくださる方々がたくさんいらっしゃるそうです。
和栗の中でも最大級の大きさを誇る「がんね(岸根)栗」。
HAKUさんでは、地元・美和町産のがんね栗が使われています。

「誰かのために」という思いが、めぐりめぐって、返ってくる

今後は、お菓子づくりのために開催が減っていたイベントなども、徐々にまた増やしていきたいとおっしゃるY様。
ご主人がお菓子づくりを手伝ってくさだるようになって、Y様のプランはますます広がっています。

「自然のもの・からだにいいものを使う。からだに悪いものは使わない」という思いをいちばんに、自家菜園も始められました。

「畑のものをとってきて、お客様に出す。ずっと最初からその思いはあって。今、やっと到達しかけています(Y様)」

「みんながほっとできる空間をつくりたい」という「誰かのために」から始まったY様のお店づくり。
その善意が、めぐりめぐって、今のお店につながっています。

例えば、オープンテラス。
もともと、「お店の下の場所で野外ライブをしたい人のために屋根がある建物をつくってあげたい」という思いが、「屋根の部分はオープンテラスにしよう」というアイデアにつながりました。
今では、ペットを連れた方々もご利用できるスペースになっています。

「ライブをやる人のことを思って動いたら、結果的に自分のためになって返ってきている。なんでも基本は、“人のために動く”ってことなのかもしれないな、と思っています。“自分に返ってくることを望んではいないけれども、やっぱり助けてもらえる”みたいなかんじですよね(Y様)」

春夏秋冬、朝夕で変わる光が、室内を優しく彩ります。
天井が高い吹き抜けの空間は、気持ちがいいですね。
テーブルウェアも
Y様こだわりの品々です。
自然素材とマッチするインテリアも
いい雰囲気でした。
新鮮な旬の食材を使ったランチ、
ケーキセットなど、やさしい美味しさ。
さりげない野の花が素敵でした。
コハクさん。
とっても人なつっこい山羊さんです。

Y様のご家族も、みなさんで力を合わせられています。

「HAKU」の2階には、着付けスペースや美容院として使えるスペースもあって、美容師の三女さんがご予約制でお仕事されています。

お花がお好きな長女さんも今年からお店を手伝われていて、今後は敷地内にお花畑もつくられる予定で、そこのお花でブーケをつくったりするプランを準備中です。
二女さんは、キッチンカーでの販売をスタート。
Y様が思い描いていらっしゃったイメージが、だんだんとかたちになっています。

手作りで心のこもった
オーダーメイドのブライダルも
HAKUさんの魅力です。
2階の美容院スペース。
自然素材と窓の外の景色が心地よくて、
とってもリラックスできそうでした。


「HAKU」という店名のインスピレーションの源は、映画『千と千尋の神隠し』に登場する「ハク」。
「ハク=白」というイメージがブライダルのイメージにちょうどよかったことと、カフェにご来店される「お客様の色に染めてもらおう」というY様の思いがあります。

このお店の自然素材が時と共に味わいを深めているように、 Y様の「HAKU」も、Y様ご家族のみなさまそれぞれの色と、たくさんのお客様お一人おひとりの色が様々に溶け合って、豊かで深みのあるお店に色づいていくのだろうと思います。

Y様、ありがとうございました!

⚫︎里山カフェ HAKU https://haku-iwakuni.com/ja/

この家をつくった工務店

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