お知らせ

SAiN

2023/12/26

【Featuring SAiN79[施主様からの特別寄稿]四季めぐる空気がうまい家】凍える野菜が教えてくれる暖かい暮らしのヒント

「今年は、秋がない様な気がしますね。」

猛暑が続いたかと思えば、急に寒くなった時期がありました。
ところが、こんな挨拶をした翌週からは、ポカポカと暖かくなり、「どのタイミングで冬支度をしたらいいんだ?」なんて思った方も多いでしょう。

そんな十一月が終わりに近づくと、それなりに冬らしくなってきた様に感じます。
特に、北海道の知人から「雪がたくさん積もった」なんてお知らせをいただくと、ようやく「冬支度をしないといけないなぁ…」と、重い腰をあげました。

今年の私の冬支度のテーマは「冬も暖かい気分になれる家」です。
ちょっとした作業をするだけで、暖かい気分が味わえるので、参考にしていただけたら幸いです。


なぜ、冬でも野菜の水は凍らないの?

冬の知らせがあるころに「なぜ、冬でも野菜の水分は凍らないの?」という疑問をもっていたことを思い出します。

例えば、冬野菜の代表、「大根」は非常に水分が多い野菜ですが、雪が積もった畑の中にあっても、シャーベット状になることはありません。
「雪の下とは言っても土の中は暖かいからじゃない?」なんて考えたこともありましたが、それでも説明がつかない所があります。

それは、土の上の部分(大根の茎)の部分は、しっかりと雪や氷点下の空気に触れていますから、氷点下の朝に凍ってしまうのでは?と考えられますが、全く、凍ってしまう気配すら感じられません。



もちろん、この様なことは、大根に限った話ではなく、私が住んでいる京都程度の冷え込みでは、他の植物の水分が凍ってしまうことはありません。
その一方で、京都でもあまりにも冷え込みが厳しいと「水道管の凍結に注意しよう」なんて言われるわけですから、ますます不思議に感じるのです。


植物の水分が凍結しない理由

そこで、「なぜ、植物の水分は凍結しないのか?」と色々な人に質問したり、調べてみたりすると、面白いことが分かりました。

(1)もし凍結してしまうと生命が絶たれる
水道管が凍結によって破裂してしまうのと同じで、植物の内部の水分が簡単に凍結してしまうと、水分が膨張して細胞が破壊されてしまいます。
それでは、厳しい寒さに耐えることができないので、簡単には凍らないような仕組みをもっているのではないか。という考えです。
この考え方には、納得できる人も多いのではないでしょうか。
ただ、「凍らないような仕組み」とは、どんなものかが気になるところです。

(2)植物の水分が凍結しない仕組みとは?
植物の細胞は、動物とは全く違ったつくりをしていて、細胞膜の外側に細胞壁があります。
こんな言葉を書くと難しい勉強の話の様になってしまいますが、簡単に言うと、細胞膜の外側を敢えて凍らせて、肝心な部分は凍らないようにしているようです。

つまり、
●図の様に細胞の外側を凍らせる。


●凍った部分には、自然と水分が引き寄せられるので、細胞内部は、自然と糖度が高くなり、簡単には凍らない(砂糖水は0℃で凍らない)。

●凍ってしまった細胞膜の外側は犠牲となるが諦める。

こうして、大切な細胞膜内部は傷つかないという形で生命を守っているのです。

植物は思った以上に、複雑な技術で自分の身を守っていることがよく分かりました。
と、同時にこんなに凄いことはできないけれども、自宅の水道にちょっとした工夫を施すことができそうだと思いついたのです。


誕生!「冬も暖かい気分になれる家」

真冬の朝、水道の蛇口を開けるのは辛いものです。
いくら給湯器がついているとは言え、温かいお湯が出るまでには、それなりの時間が必要になります。
最初は、水が冷たいので警戒しながら水を触り、「冷たい!」なんて感じることもよくあることだろうと思います。

そこで、植物も細胞の外側に工夫をしているのだから、我が家の水道管の外側にも何か工夫ができるのではないか?と思ったのです。
そして、実際に工夫をしてみると…これが意外と快適だったのです。

●ホームセンターで保温チューブを購入
保温チューブは、水道管などに巻き付けて使う保温剤のことで、いろいろなタイプがありましたが、写真の様なもの(① 2mで250円くらい)を選びました。

●床下に潜って保温チューブをセットして(②)テープを巻く(③)
今回は、給湯器から洗面化粧台にかけてお湯が通るパイプに保温チューブを巻き付けてみました。
もちろん、最初から保温チューブは巻いてありましたが、冬用のお布団を掛けるようなイメージで、保温チューブを巻き付けていきました。


結果は…
今年は、まだまだ朝の気温が冷え切っていませんが、温かい水が出るまでの時間がかなり短縮されました。
ちょっとしたことですが、少し待てば、びくびくしながら水を触る必要がなくなったので、幸せを感じています。
と同時に、床下での窮屈な作業をすると広々とした部屋で普段生活できていることがどれだけ有難いことか…そんなことを改めて実感しました。

植物は、こんな保温チューブよりもはるかに優れた機能をもっているので、内部はかなり快適なんじゃないかなぁ…と思います。



京都府宇治市 渋谷浩一郎
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