秋から春にかけて見られる渡り鳥に、「ジョウビタキ」がいます。
「ジョウ」は能の老翁や炭火の白い灰などを意味する「尉」のことで、銀髪のようなオスの頭の毛の色が由来。
「ヒタキ」は「火焚」で、火打石の音に似た「カッ」という鳴き声が由来。
「尉」と「火焚」で「ジョウビタキ」というわけです。
スズメよりやや小さく、「ヒッ」という澄んだ声でも鳴き、ぴょこんとおじぎをして尾を震わせる姿がなんとも愛らしい鳥です。
灰色がかった褐色のメスとくらべ、オスの胸からお腹は鮮やかなオレンジ色で、紅葉した樹木に羽を休めると、コーディネートしたような美しい調和をみせてくれます。
しんじつ秋空の雲はあそぶ
自由に詠んだ旅の俳人、種田山頭火の句。
上を向いて、雲や鳥を愛でたい秋です。