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2022 Spring

現在いまを冷静に、
未来さきを柔軟に捉える
思考

 「雲外蒼天うんがいそうてん
 雲外蒼天とは文字どおり「雲の上は晴れ」という意味がありますが、「困難の先には明るい未来がある」ということを指している言葉です。
 地上から見る分厚い雲が困難を表し、雲の向こうにある青空を未来として表現しています。
 人生は山あり谷ありで、悪いことが起きても必ず明るい未来があるという希望を持てる言葉です。

 それは「困難に立ち向かっていく」ということが前提にあるからこそ、成り立つ言葉ではないかと個人的には受け止めています。
 例えば飛行機の離陸に置き換えてみるとどうでしょうか? いくら雲の先に明るい青空が広がっているとはいえ、そもそも離陸して雲に向かっていかなければ、その先の青空に出会うことはできません。しかも、やみくもに雲に突っ込んでは、抜け出すのに時間が掛かったり、向かうべき航路からずれてしまったり、ましてやアクシデントに見舞われ、機にトラブルが発生してしまうと、否応なく引き返さなければならなかったり、現在の行動によって、その結果は大きく選択を分けてしまうことでしょう。
 つまり、必ず明るい未来がくると強く信じながら、エネルギーを上手に分配し、現在をどう行動していくか、それがその先に広がる青空に出会うためには大切なことだと言えるのではないでしょうか。

 お仕事に置き換えてみても同様で、常に思った通りに事が運ぶわけではありません。当たり前ですが、きちんと対価を受け取るためには、自分以外の誰かに対して、需要と供給を成立させる必要があります。当然ながら相手は自分とは別の人格であり、別の時間軸や別の行動目的で動いているので、イレギュラーが起きることも多いでしょう。そのイレギュラーや困難という「雲」が目の前に現れた時にどう対処するか?
 まずは冷静に現実を俯瞰してみて、固定概念を一度解除してみる。すると狭くなっていた視野が広がり、冷静に周りが見えるようになる。そして少しずつ道が示され、前に進めるようになる。
 目的を達成できる未来を創造し、それをどうやって現実として現在の出来事に変換していけるか、これが柔軟に未来を拓くために必要なことだと思っています。

 もちろん私たちは完璧な存在ではありませんので、必ずしも立ち向かうばかりが正解とは限りません。時には はやる気持ちを抑えて待機したり、仕切り直してリスタートすることも立派な選択肢の一つです。それを正しく見極めるためにも、柔軟に未来を見据える思考が必要だと思っています。
 何か困難にぶつかったとき、乗り越える方法をアレコレ思考する方がクリエイティブできっと楽しいはず。人生にはたくさんの「雲」が現れますが、それを逆に自分自身の将来の糧に変えていけるように、私自身も日々リマインドしながら、心に刻んでいます。

 その先に広がる青空に出会えることを強く信じて。

浦上 日章

Text by Urakami Nissho