早いもので弊社発刊情報誌「SAiN」が50号を迎えることとなりました。これもひとえに皆様のご支援あっての結果だと深く感謝申し上げます。
50回を記念いたしまして、特別企画を盛り込みたいという編集担当者からの要望もあり、今号から4回に分けて健康住宅造りに取り組んできた事柄を回顧しながら、楽しかった思い出、苦しかった思い出、これまでの歩みとこれからの展望をお話したいと思います。
まずは「幻の漆喰」を開発した当時のことからになりますが、開発していよいよ販売となりますと、これまでに世の中になかった商品だけに、実績はもちろん、ブランド力もなく、採用していただくまでには多くの苦難がありました。
その苦難に差した一筋の光が、鹿児島県の現日置市日吉町での池崎様との出会いでした。
池崎様は日頃からかなりの喫煙をなさっており、当時は「タバコの臭いを分解する壁材です」と勧められて幻の漆喰を採用してくださったお客様です。今考えてみますと、健康住宅を建てられるお客様の中でタバコを吸われる方はとても珍しい存在。ですが池崎様の場合は全く違っていたので、その意味でも印象に残る出会いだったと言えます。
その頃の季節はちょうど田植えの時期で、完成した建物に一羽の燕が入り込んできたのを記憶しています。
池崎様邸の完成見学会は大盛況に終わり、その後何棟もの受注に繋がる素晴らしいスタートを切ることの出来た、記念すべき一棟でした。
次に弊社の主力商品で、音響熟成木材「うづくりフローリング」がございます。このうづくりフローリングは弊社が日本で最初に機械製法にて量産化に成功した商品です。
最初に採用されたのが、同じく鹿児島県日置市伊集院の惠様邸でした。元々の設計はヒノキのフローリングだったのですが、商品を紹介したところ、何のためらいもなく、音響熟成木材のうづくりフローリングへと変更してくださいました。
家に引っ越してからは子宝にも恵まれ、幸せな生活を送っていらっしゃるようです。
この50号記念で忘れてはならないのは鹿児島県薩摩川内市の花増様です。「SAiN」の第一号発刊の際に取材をお引き受けくださったお客様です。
当時小学生だったお子様の鼻炎の症状が重く、毎日鼻血が出るほど大変だったのですが、引っ越してからその症状が治まったとのご報告があり、取材をさせていただいた経緯があります。
お子様も現在では成人され、立派な社会人としてご活躍なさっているとのことです。
そして是非とも皆様にご紹介させていただきたいのが、同じ薩摩川内市にお住まいの新原様です。今号でも新たな取材記事を掲載しております。
新原様はご新築されて15年目を迎えられました。これまでに新原様邸をご見学された方は延べ二〇〇〇人ほどになると聞きます。新原様は見学されるお客様に、自ら健康住宅の素晴らしさを説明してくださり、実際に住まわれている方からのお言葉ほど重いものはないと、心から感謝申し上げる次第です。まさにカイケンの原点、健康住宅モデルハウスと呼んでも過言ではありません。