今号の特集は、古今東西の家をめぐる旅へとご案内いたします。
あらためて世界各地の家をみてみると、「住まい」というものが、いかにその地の風土と密接にかかわっているかが感じられます。さて、みなさまはどの家に住んでみたいと思われるでしょうか?
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起源は縄文時代といわれる、地面を掘り下げ半地下の居住空間にし、柱を立てて草木で屋根を葺いた竪穴式住居。写真は世界文化遺産の青森県三内丸山遺跡。
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グリーンランドやカナダ北部、アメリカのアラスカなどに暮らすイヌイットの方々が狩猟先で仮泊する家。凍った雪を切り出して、ドーム型に積み上げてつくります。
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ネイティブ・アメリカンの移動式住居「ティピー」は、もともとはスー族の言葉で「house」の意味。太陽が昇る東向きに建てられ、中で火を焚くことができます。
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モンゴル語で「家」を意味する「ゲル」は遊牧民の伝統的な移動式住居。入口は南向き、中心には「トーノ」と呼ばれる天窓、カマド兼用のストーブが設けられています。
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ミャンマー中央部シャン高原に広がるインレー湖で水上生活を営む、インダー族の方々などの住まい。湖面に緑が映える美しい景色の中の、自然と一体の暮らしです。
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標高約3800mのチチカカ湖に浮かぶペルー領のウロス島は先住民の方々が暮らす浮島で、島そのものも、家も船も「トトラ」と呼ばれるこの地特有の葦でできています。
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イタリア南部の小さな村アルベロベッロの伝統的な住宅「トゥルッリ」。石灰岩を積み上げ、壁に漆喰を塗った家で、部屋ごとにあるとんがり屋根がチャーミングです。
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映画『ロード・オブ・ザ・リング』に登場する、丘に穴をあけて住処にしたホビットたちの家。ロケ地になった、ニュージーランドのワイカト地方で公開されています。
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「turf」とは「芝」のこと。寒冷なアイスランドでは木材などが手に入りにくかったこともあり、断熱性に優れた芝を利用した住まいが9世紀頃から建てられていました。
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奇岩の絶景が広がる世界遺産、トルコのカッパドキア。写真のウチヒサール城と呼ばれる要塞には岩壁をくり抜いた部屋があり、数十年前まで人々が住んでいたそうです。
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「客家(ハッカ)」と呼ばれる方々などが暮らす、中国福建省に点在する円形・長方形など要塞のような外観の集合住宅。木と土壁で作られ、中は開放感があって快適です。
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映画『スター・ウォーズ』のロケ地としても知られるチュニジア南部マトマタの家。地面に掘った巨大な穴の側面に居住用の穴を設けた、夏涼しく冬は暖かい洞窟住宅です。
「私たちの空気がうまい暮らし」では、空気がうまい家にお住まいのみなさまのそれぞれの暮らしをご紹介しています。どうぞご覧ください。