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夢のマイホームのはずが…私たち家族に起こった本当の話

●京都府 宇治市 S様 戸建てリノベーション

京都府宇治市で暮らす、S様ご家族。現在は、奥様と、高校生、中学生の2人の男の子と4人で、生活の中に自然を感じながら、幸せに暮らしています。

学生時代からの憧れ

旦那様は、兵庫県の日本海側に面した自然豊かな場所で育ちました。学生の頃は、両親から「勉強しないとまともな就職はできないぞ」と口うるさく言われ、自分でも「確かにそうだな」と思いながら結構まじめに勉強されていたそうです。

勉強の甲斐もあり、京都の国立大学へ進学することになり、教員を目指して学生生活がスタートしました。

大学生活を始めるにあたり、まずは賃貸物件探し。都会でのおしゃれな一人暮らしを夢見ていてたものの、現実はそう甘くはなく、実際は家賃1万5千円の長屋アパートでの一人暮らしがスタートしました。

当時の学生仲間も同じような環境で楽しく生活していて、S様もそれなりに学生時代を楽しまれたそうです。勉強も頑張りながら、雑誌編集のアルバイトにも夢中になり、充実した学生生活を送っていました。この頃から「将来はバリバリ仕事して、かっこいい家に住みたいなー」という憧れが、漠然と心のどこかにありました。

念願の教員生活がスタート

大学を卒業し、無事念願だった小学校教員として社会人生活のスタートを切りました。京都は駅伝が有名だから、ということもあってか、まわりの先生たちも子どもたちも、とにかく体を鍛えることが好きで、S様も夏休みは早朝から毎日ランニングをし、その後、生徒たちのテストの採点や事務仕事をこなし、お昼を食べた後はプールで泳ぎ、その後また事務作業を行い、最後にまたトレーニングをするというアクティブな毎日を送っていたそうです。

その頃、保育士をしていた奥様との出会いもあり、結婚して夫婦での新たな生活が始まりました。

京都での新たな住居探し

お一人目の男の子が生まれた頃、家も手狭になり、新しい住居を探すことになりました。

戸建て新築の憧れもあったのですが、京都で便利がいいところとなればとにかく土地が高い!それは当たり前と言えば当たり前な話なのですが、いろいろ検討した結果、予算的にも一旦戸建てはあきらめ、「中古マンションを買ってリフォームしよう」ということになりました。

ほどなく、いい中古マンションが見つかり、リーズナブルな価格で受けてくれるリフォーム会社も決まり、フルリノベーションに踏み切りました。工事内容としては、全体の間取り変更、床の全面貼り替え、クロスの全面貼り替え、キッチンのリフォームを行うことになりました。お風呂だけはすでにリフォーム済みできれいだったので、そのまま使用することにしました。

結果、出来栄えはS様ご夫婦も満足で、憧れの戸建て生活は出来なかったものの、「いつかは戸建てに住もう」という思いはありつつも、幸せな生活を送っていました。

引っ越しをしてしばらくたった頃・・・

二人目の男の子が生まれ、元気に育ってくれていたのですが、生まれて半年ほど経った頃から、顔や体の皮膚がところどころ赤くなっている感じで、奥様が心配されていていました。ご主人にも相談するのですが、「そこまでたいしたことではないだろう」と、しばらく様子をみることにしていたのですが、日に日に皮膚の状態がひどくなり、「これは大変だ」と慌てて病院へ連れていくことになったのです。

診察の結果は、重度のアトピー性皮膚炎で、病院からはステロイドを処方されました。二人目の子は助産院での出産だったこともあり、食べ物やお薬に関することも助産師さんに相談しながら、ご夫婦でかなり勉強をしていたこともあり、ステロイドを使った治療にはかなりの抵抗があり、ステロイドを使わないことに決意しました。代わりに木酢や炭で作られた軟膏を半年ほど使用してきましたが、症状が改善することはありませんでした。

漢方系の病院も探し回っていくつかの病院にも足を運びましたが、残念ながら症状は改善できませんでした。アレルギー検査も何度も何度も行い、何がダメで何が大丈夫なのかひとつづつ調べていくしか方法がありませんでしたが、なんと検査の結果、食べることが出来るのは「葉物野菜のみ」ということが分かったのです。

当時は母乳で育てていたので、奥様もほぼそれしか食べることが出来ない状況になり、必然的に家族みんながその食事に合わせるような状態になって、本当に大変な日々を送っていました。

いろんな病院を探しては行ってみての繰り返しだったある日、助産師さんが紹介してくれたとある病院を訪ねることになりました。

「こういっては何ですが、一言でいうと“あやしい”病院だと思いました。それもそのはず、波動とかエネルギーとかそういう文言がたくさんあって、どちらかというと理系の自分には到底理解が出来ない世界でした」。

診察室に入ると「ダウジング」という方法で、赤ちゃんが何に対して反応しているのか確かめるという作業が行われました。ひとつづつ何がダメなのかを探っていきながら、

最終的に出た答えは、「この子は家が原因です」という耳を疑う内容でした。

これもまた到底信じられるわけもなく、 「悪霊払いとか何とかで、高額なものを買わされるのでないか」と疑いましたが、先生から最近リフォームをしたりしていないかと聞かれ、この子は「化学物質のアレルギー」で苦しんでいると言われました。初めて聞くことで理解はできませんでしたが、S様は「ここまで来たらもう何でもいいから子供のためだったら試してみよう」という気持ちでした。

先生からは、「一度もリフォームしていないような古い家を探して、赤ちゃんを連れて行ってみてくれ」と言われ、とにかく古そうな旅館を探して、電話して事情を説明し、なんとかリフォームをしていない、いい感じの旅館を見つけることが出来ました。

お世話になった旅館

滋賀県にある日登美山荘さん

親切にしていただいた旅館での夜。

なんと、これまではいつもかゆくて泣いていた赤ちゃんが、初めてぐっすりと眠ってくれたのです。

その後、確信を得るため、いくつか同じようになるべく古い家に連れていくということを試してみたところ、見事に同じ結果が出たのです。これでS様ご夫婦の中で「家が原因だ」ということが確定しました。

S様は、これまで約2年間、息子の症状を何とか改善させてあげたいという思いで、何度も病院へ行っては、アレルギーの原因を調べたり、漢方を調べたり、食べ物、水、その他、いろんなことを試してきました。

夜は家にいると泣いて眠れないので、毎晩夫婦が交代で、夜中にベビーカーで外に連れていき寝かせるという日々が続きました。

息子の体のことを考えると、長期的なステロイド剤の使用にも抵抗があり、何とか薬を使用せずに改善する方法はないかと思い、薬をなるべく使いたくないというと、周りからは「薬を使わないなんてひどい」と非難されたり、精神的にも肉体的にもかなり追い込まれている状況でした。

ここまで長い道のりでしたが、なんとか原因を特定することができたことで、ようやくS様ご夫婦は前に進むことが出来ました。

新たな住居探し

中古マンションを購入してフルリノベーションして間もない状態で、新たに戸建てを新築するというのは、現実的に厳しい話でした。しかしながら、今の家には住めないという現実。

そこでS様は、「出来る限り古い家を探しまわり、いろんな人にも協力していただいて、なんとか古い家を見つけることが出来、そこを賃貸で借りることにしました。当然トイレも、お風呂も、キッチンも古いままです。壁は砂壁でした」。古いお家ですが、これでようやく普通に寝ることが出来るようになります。

当時仮住まいすることになった部屋

ですが、また一つ問題が起きました。それは、水道水の「塩素」でした。

「次男が水道水に反応してしまうので、お風呂にも入ることが出来ませんでした」

S様は、今度は片道1時間半かけて「湯治」を行うことにしました。往復3時間の湯治生活は大変でしたが、それしか方法がなかったのです。

「さすがにこの生活を続けていくのも本当にしんどい状況で、ちっちゃい家でもいいから、何とかして安心して住める家を作るしかない」と、S様は再び工務店巡りを始めました。

安心して住める家づくりを求めて

「当然私たちは、次男が家の材料から出る化学物質に反応していると分かった以上、そういった材料を使わない家づくりをしてくれる工務店を探します。

まず候補にあがってくるのは、『健康住宅』や『自然素材』『無垢』などにこだわった家づくりをしている工務店になるわけです。ですが、いろんなことをすでに勉強していた自分たちには、一つ基準がありました」

S様が基準にされていたのは、シックハウス法の安全基準です。

「住宅に使用する建材には、『シックハウス法』で、住む人の健康に悪影響があるとされている『ホルムアルデヒド(formaldehyde)』の放出量によって安全基準が設けられています。

ホルムアルデヒドの放出量が最も少ないものは、F☆☆☆☆(エフフォースター)と呼ばれ、国の基準により室内に無制限に使用が可能になります。

国の基準で室内に無制限に使用してよいということになれば、建設会社も、設計士も、お客様も、当然疑うことなく「安全」と思うのが普通だと思いますが、実はそこに大きな問題があることを私たちは知っていました」

「F☆☆☆☆」というだけでは安全とは言えない

「簡単に言うと、健康に悪影響がある化学物質は『ホルムアルデヒド』だけではないということです」

現在の建材には、約1万種類の化学物質が使用されていると言われています。その中で、たった1つの物質「ホルムアルデヒド」だけを規制しても、根本の原因を取り除くことは不可能です。現在の住宅が「計画換気」を強く訴えるのも、こういった化学物質の排出という目的があります。国はシックハウス法を施行した後に、「24時間の計画換気」を法律で義務付けています。

「私たちは、そこまで分かったうえで、純粋な自然素材で家づくりをしている工務店を探しまわり、ようやく出会ったのが、西京区(京都市)で徹底的に自然素材にこだわっている『ハウス工房』さんでした」

私たちにモデルハウスを賃貸で貸してほしい

当然、そんなことをお願いする人はいないはずで、ご担当の方もびっくりされていたそうですが、S様には「モデルハウスは持っていませんので貸すことは出来ませんが、現在住んでいるお客様のお住まいでしたらご案内できますので、行ってみますか」という提案がありました。

「私たちの事情を知って、見学先のお住まいの方もとても親切に『何回でも来ていいよ』と言ってくださり、何度かお邪魔させていただきました。その家に連れていくと、息子はいつも穏やかです。担当の方には、私たちの住宅の状況、シックハウスのこと、自然素材のこと、ハウス工房さんが使用している「音響熟成木材」のこと、「幻の漆喰」のことなど、いろんなことを教えていただきました。

最終的に、私たちは、意を決し、中古の家を買って内装をすべてハウス工房さんにリフォームをしてもらう方向で決めました。

現実的な問題が山積みでしたが、なんとか目途が立ち、S様は自然が程よく感じられる「宇治」で、中古の戸建て物件を購入することが出来ました。

今回のフルリノベーションでは、とにかく「素材」にこだわること。それと設計では「子どもたちと常にコミュニケーションがとれる空間にしたい」という思いで、いろいろな相談をして、ついにに安心して暮らせる家を手に入れることが出来ました。

現在築12年 ほどよく自然を感じながら幸せに暮らしています

ここは家族全員とコミュニケーションが取れるリビング
音響熟成木材のフローリングもいい感じで味をだしてきてます。
家族みんなで共有する着替え部屋

家族だから時には喧嘩したりすることもあるかも。でも、次の日にはここで顔を合わせて「おはよう」って言ってリセットする。そんな想いでこの部屋を作りました。一日一回は嫌でも顔を合わせる場所ってとても大事です(笑)

なんといってもこの子供部屋の特徴は、音響熟成木材で作った大きな天板のテーブルです。

ここはS様の書斎兼趣味部屋。子ども部屋と同じく、「音響熟成木材」で作った大きな天板のテーブルがお気に入りです。同じ素材で作った大きな本棚も大活躍です。

子どもたちは「自然」が大好きで育ちました。

家庭菜園では、キュウリやミニトマト、みょうがも育てています。

自分たちでそばも作ります。

ビザ窯も子どもたちと一緒にDIYで作りました。庭で採れた水菜とシラスでピザをつくったり、パンを焼いたりしています。

S様は、家づくりがきっかけで家族の身に起きた今回の出来事を機に、「自然環境の大切」さ、「人間にとって本当に大切な環境」、「子どもたちにとって本当に大事な教育」などに真剣に向き合うようになり、今は教職を退職され、教職員時代の枠を超えて、インターネットを通じて、仕事の都合などで海外で生活をしている子供たちをフォローされております。

「家づくりがきっかけで、まさか自分たちたちの家族にこのようなことが起こるとは、まったく想像できませんでした。しかしながら、その経験をしたことで、これまで気づかなかったこと、本当に大切なことは何かということに気づくことが出来たのかもしれません。

このようなかたちで私たちが経験したことをお伝えすることで、一人でも家づくりのお役に立てれば幸いです」

この家をつくった工務店

(株)ハウス工房

〒610-1132 京都府京都市西京区大原野灰方町59-1

TEL:075-335-0255