もともと、日本の家の新築は、大工さんが仮小屋を建て、
そこで墨付けや手刻みを施し、材料の加工を行っていました。
当時の子どもたちはその作業風景を見ながら、
知らず知らずのうちに材料のことや道具の種類、
作業工程を覚えていました。
また、家はたくさんの業種の職人さんたちの技術が
集まって成り立っていました。
竹を組み土壁の下地を作る小舞職人さん、
土と藁を足で踏み込んで土壁を作り、
漆喰を大釜で煮込んで仕込む左官職人さん、
こういった伝統技術も今ではほとんど見られません。
最近の木造住宅の大半は、
プレカット工場で機械加工された材料が使用されています。
大工さんは、予め加工された材料を
プラモデルのように組み立てていく…。
一本一本の材料に職人さんたちの魂が
込められていた頃にくらべると、なんとも寂しい。
このままだと、あと10年もすれば、墨付け、手刻み加工などの
真の日本伝統建築文化は消えてしまうのではないでしょうか。
伝統建築の懸念として、手間が掛かり非常に割高になるなど、
コストの問題があります。
確かに、家を建てることだけで考えるとその通りだと思いますが、
総合的に判断すると、決してそうではありません。
「建物の寿命」、「二酸化炭素の削減」、「安全性」、
「居住性」、「身体の健康」などの全てを
満たしてくれるのが日本の伝統建築なのです。
この技術を守るために、私たちカイケンコーポレーションでは、
墨付け、手刻み加工、竹の小舞下地の土壁など、
日本の伝統工法を全面的に取り入れた、
新建材や集成材を一切使用していない
「空気がうまい家・体感モデル住宅」の
開設をすすめていきたいと思います。
また、将来を担う子どもたちの社会勉強にも役立つよう、
手作業での加工状況を記録したビデオを制作するなど、
伝統文化を受け継ぐ日本の家づくりをサポートしていきます。